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□触れてしまえば消える温もり
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そしたら全部忘れるから、
触れてしまえば消える温もり
tamamori side
一度だけ、俺だけのものになって下さい。
「じゃ、俺もう帰るわ」
仕事帰り。
たまたまミツと二人だけの仕事で。
そんなこと滅多にないから嬉しくて、胸の高鳴りも抑えきれないくらい楽しみだった。
でも、そんな時間ももう終わり。
まるで魔法が解けるシンデレラみたいだ。
でも、シンデレラは王子様が迎えに来てくれるんだよね。
俺の王子様はー・・・もうお姫様がいるから。
なんて。
さっきから言ってるのはミツとガヤのことなんだけど。
ミツが帰ってしまうのがなんだか切なくて。
ちょっと寂しそうな顔をしていると、それに気付いたのかミツが目の前にやってくる。
「寂しいのか?
お前、本当可愛いなー」
「もう、止めてよー・・・」
がしゃがしゃと頭を撫でられる。
口では色々いってるけど、内心凄い嬉しい。
でも、そんなミツをガヤさんは独り占め出来てるのかな、なんて考えたらなんだかどうしようもなく悲しくなった。
自分でも、ガヤさんには勝てないって自覚してるから、それだけ。
「最近、お前そう言う表情多いぞ」
ミツにそう言われて、ビクッとする。
なんでも、解っちゃうんだよね・・・
身長ちっちゃいくせに、俺様で、でも優しくて。
彼のそんなところに惹かれた。
どきん、どきん
二人っきりという空間が俺を更にドキドキさせる。
同時に襲ってくる虚しさは、きっと叶わないって解ってるから。
ー・・・恋は叶わなくても。
ああ、駄目だ。
そんなことしちゃいけない。
ー・・・どうかこの身体だけは、
駄目だ、駄目だ。
そう思うのに歯止めがきかない。
ー・・・一度だけでも、貴方に。
「ミツ、一つだけ、・・・お願いがあるの」
「ん?なに?」
「一回だけでいい。それで忘れるから、」
微熱を帯びた言葉は止まることを知らず。
魚は自ら溺れることを望んだ。
「俺を抱いて下さいー・・・」
(その優しさに、)(せめて抱かれたいと願うの)
多分、ミツさんは抱いちゃうんでしょう←
で、諦めがついて宮田にいくもよし、三角関係になるもよし((爆
匿名でも全然構いません(*^∀^*)