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□誰かに奪われるくらいなら
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いっそのこと、俺が。







誰かに奪われるくらいなら






tamamori side






いつでもどこでもそう。

どうやら俺は、君の存在に気付いてしまうように出来てるみたい。




「北山ー」



君に呼ばれるのが俺じゃないのが、嫌で。





「なんだよ」


「・・・なんだっけ」


「・・・おいっ」


「あははっ」




俺以外に向けられる笑顔も嫌で。

この感情が恋だと知っているけど。


知ったところで、胸の痛みは変わらない。



ー・・・ガヤ。


キタミツとガヤがよく一緒にいるのなんて、昔からで。

仕事で一緒っていうのも、知っているのに。


なんで今更、こんなにも苦しくなるの?




「ー玉」



どうやら俺はさっきから名前を呼ばれていたみたいで。

気付かなかったせいか、ガヤは俺を下からのぞき込んで名前を呼ぶ。



うわ、上目遣い。


ガヤの、そういう無自覚なところが、やだ。

だってこんなに可愛い姿を、他の人に見られたくない。



俺は返事をせずに、ぎゅっと抱き締める。


え、え?と困惑するガヤを抵抗できないように思いっきり抱き締めた。





「玉、ちょっ、離しっ」


「やだ。」


「・・・やだ、って、」



"なんだよ、お前"なんてガヤさんの声が聞こえる。

ちょっと呆れてるような態度も、嫌い。


相手にならない、って言われてる気がして。



なんだか嫌で、ガヤに認められたくて。

ガヤが逃げられないように、壁に押しつける。




「玉、一体どうし・・・ーんっ」



唇と唇を、重ねた。

ガヤより少しだけ高い背が、ガヤの身体全てを覆う。




ちゅ、と音をたて唇を離す。

きっと言葉じゃ俺は勝てないから、有無を言わさずに耳元でこう囁いた。





「ガヤは、俺のもんだから」












(俺だってガヤの隣に居れるって、)(教えてやる)











Sな玉ちゃん。
約してS玉←

いやー、初☆玉藤です!

俺様っぽいけどところどころ"やだ"とか玉ちゃんっぽい発言を入れたつもりです


北山さんに嫉妬してればいいと思う、個人的に((爆


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