BOOK2

□裏切りの甘さに溺れて
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罪は何よりも甘い。






裏切りのさに溺れて






yamada side





今だけは愛するひとを忘れて。



その日、珍しく大ちゃんと喧嘩をしてしまって。

恋人になってからー・・・いや、親友になってからは覚えている限り一度もないって言うのに。



何で喧嘩したっけな・・・

今は、そんな記憶も曖昧で。





「涼介、何考えてるの」


「・・・伊野ちゃん、俺、」



"やっぱり"。

そう言う前に唇を塞がれた。


ベッドに押し倒されて深くてとろけてしまうような強引なキス。


・・・大ちゃんは、行為の時でも優しかったな。

なんてぼーっとした頭で思う。



大ちゃんが怒るのは久しぶりで、ショックを受けていたら伊野ちゃんに誘われた。


"辛いなら、忘れさせてあげようかー・・・?"



綺麗な顔をした悪魔に、俺は自ら捕まった。







伊野ちゃんの手がそっと蕾に触れるゆっくりと浸食される感覚に快感が走る。




「んんっ、」


「声・・・出して」



普段の高めの声とは違う、低い声。

伊野ちゃんの手が俺自身に触れると、ひゃあっと声を上げてしまう。



「可愛い・・・」


「や、ん・・・あっ」



くちゅくちゅと響く水音が、俺の聴覚まで犯す。




「涼介、・・・挿れるよ」



足を持ち上げられ、グイっと伊野ちゃん自身が俺の中に入る。

すぐに腰を動かされ、自分とは思えないくらい高い声が出た。




「あっあっ、んんっ・・・ふぅっ、ああっ」



激しく動かされる腰に、俺はすぐ絶頂をむかえた。

意識が朦朧とする頭で、大ちゃんの笑顔が不意に過ぎる。


大ちゃんは、いつも優しくて。

大事に大事に、その触れる手さえ温かいから。




ふと喧嘩の原因を思い出す。

ああ、あれは。


ー俺の首筋に、赤い跡があって。


自分でも覚えがなくて、多分蚊にでも刺されたんだと思う。



それに大ちゃんが怒って。



確かにあれは大ちゃんが悪かったけど、ー・・・もしかしたら、あの後大ちゃんは謝りに来ていてくれたかもしれない。

俺が誤解を解いて、そうすれば済んだ話かもしれない。


何より、大ちゃんは優しいひとだって、俺が一番知っていたはずなのにー・・・





一筋、涙が頬を伝う。


犯した罪の味は、酷く甘く感じた。













(離れることを恐れているくせに、)(そうやってすれ違う)














このサイトでは初☆裏でしたー!
実はSayaka様のリクエストです(^q^)

伊山で[狂愛][激裏]とのことでしたが・・・すいません、[狂愛]まで入りきれませんでした←

Sayaka様のみ書き直し&再リクエスト受け付けます。


ここまでお読み頂きありがとうございました!


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