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□そうやって堕ちる君を
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ずっと君を待つあの人に、気づいて。

俺はそういいながら、気づかないでいて欲しいと願った。







そうやってちる君を






arok side





気がつくとそこは、閉ざされた空間だった。

ふと目が覚めれば、なんだか気だるい。


身体を起こそうとするけれど、カシャンと鉄が擦れる音がするだけで、起き上がることが出来ない。



頭上に鉄の手錠で括り付けられた手が見えた。

ギィ・・と重そうな扉を開けて、鉄格子がはめられた窓辺から差し込む月明かりに照らされたのは、光くん。



狂気じみた顔で笑う光くんを見て"やばい"とは思ったけど、身体が拘束されていて逃げれなくて。


見たこともないような冷たい顔で頬を殴られた。

鉄の味が口いっぱいに広がる。




「ひ、かるくん・・・」



名前を途切れ途切れに呼んだけど返事はなく。

その後も数回殴られて、ついには血がつうっと顎まで伝っていった。


そして間を置かずに激しいキスをされる。



殴られるとか、そんなのばっかりだったから、キスをされるとは思ってなくて。

それに、光くんは、――薮くんのことが、好きなのに。




光くんが薮くんを好きだっていうのを、最初、鈍感な俺は気づけなかった。

伊野ちゃんに、「光は薮が好きなんだよ」って言われて。


はじめは信じられなくて。・・・信じたくなくて。

でも二人を見ているうちに、光くんが薮くんに見せる表情が俺たちに見せる表情と違うのが解ったんだ。



―それに、薮くんが光くんを好きだってことも。


相思相愛じゃん!なんて一人で盛り上がって、思わず薮くんに"光くんが好きなんでしょ"なんて聞いちゃって。

けど、そこで薮くんが照れくさそうに"うん"って答えたから、本当なんだって思えたんだ。




光くんは、だって、薮くんのことが好きなはずなのに、なんで。


必死に抵抗したけど、体格の差もあって敵わなくて。





「なんっ、で・・・ひかるくんは、薮くんがっ」


「・・・っ、うるさい!




"好きなんでしょ?"

そう言おうとしたけど、光くんの声に遮られる。


光くんが大声を出すなんて、珍しいし、何より。

あんなに切なそうな光くん、見たことないよ・・・っ




光くんは、そう叫んだあと、俺の上に覆いかぶさって首筋を舐めた。




「・・・やめてっ」




そう言って抵抗するけど、虚しくも鉄の音が響くだけで。





「やだっ、・・・薮くんが好きなんでしょ!?」




光くんに、元に戻って欲しくて。

だって、今にも泣きそうな顔してる。



薮くんだって、光くんのことが――・・・




それでも、光くんは止まってくれなくて。

だって、きっと何より後悔するのは、光くんだから。


優しいから、きっと薮くんへの思いも認めたくなくて、

でも、そんなの・・・



ずるいよ。




俺はそうやって一人堕ちていく君を、止めることが出来なかった。




―なんて。

本当にずるいのは、俺。


だって、知っているくせに伝えられなくて、結局誰も救うことが出来ないのだから。












(気づいて、なんて)(本当はそれを俺が邪魔しているのに、)

((だって俺もあの人のことが、好きだから))














ふふっ←
意味不明ですね((爆


ゆぅ様からのリクエストでした!
壊れものの恋心、有岡sideと言う事でしたが・・・

駄作ですね、はい←


大ちゃんも気づかないうちに薮くんに惚れてたというオチが説明なしでは見えてこないこのクオリティ(^q^)



ゆぅ様、リクエストありがとうございました!

これからも「偏愛メルヘン」を宜しくお願いします


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