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□本気だったって気付かないで
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笑い話にしてね。

全部、冗談だから。






本気だったって気付かないで






yamada side






この想いは全部嘘で、告白は冗談。

そういうことにしたら、また友達に戻れるでしょ?


だったら、君への恋心全て、嘘にするから。





「山田!」


「あ、大ちゃんっ」



笑顔で俺に話しかける大ちゃんは、俺が告白したことなんて無かったことになってるのかな。

不意にそんな感情が横切った。


でも、これで良かった。

だって、結果大ちゃんの隣に居れるから。



"親友"から抜け出したくて告白したのに、振られてから"親友"に戻りたい、なんて都合のいい話。

そんなの、解っているけど。


でも、それでも君の隣に居たかったんだ。




二人でふざけ合って悪態を吐きあって、笑い合う。

もう、それ以上のことなんて、いらない。


俺の本当が嘘になっただけで、君は隣に居てくれるんだから。





大ちゃんに告白した日。

戸惑って"ごめん"と言う大ちゃんに、諦めたところでこのままじゃ今まで通りの親友にさえ戻れないんだと気付かされた。


だから、嘘を吐いた。




「・・・あははっ、騙された〜!」


「―・・・へ?」


「嘘だよ、冗談!なに固まってるの!」




そう言って笑い飛ばしたけど、心はずっと泣いてた。

ああ、振られちゃったんだ。


でも、冗談だよ、と言っただけでまるで明るく"なんだよー"なんて笑う大ちゃんを見て、これでいいんだと思った。


だって、隣に居れないことほど辛い思いはないから。






「なぁ、」


「何、大ちゃん」



急に話しかけられて、何かと思えば頬にちゅっとキスをされた。

っな、


驚いて固まっていると、大ちゃんはぷに、と頬を揉む。




「山田は可愛いな〜」


「・・・っ、」



多分、というか絶対。

大ちゃんは冗談でやったと思うけど。


なんだか涙が溢れてきて。




「っ大ちゃんの、馬鹿ぁー・・」



ごめん、どうしたの?なんて聞いてくるけど、やっぱり辛いなんて、言えない。

だって大ちゃんからしたら冗談なんだもん。


よしよし、なんて子供をあやすように抱き締め慰めてくれる大ちゃん。





―・・あの時のこと、本気だったんだ。

今までで一番、って言ってもいいくらいに。


でも、どうしても君が必要とする存在になりたかったんだ。


だから、嘘を吐いた。





ねえ、どうか、どうか。


あの日の言葉が本気だったなんて、気付かないで。











(自分で自分を追い詰めていることを知らず、)(結局残ったものは。)











悲恋が好きです。
叶わない恋が大好物です←

ってか書きやすくて増える((爆


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