【長編】 紅の巫女

□⊂第十一章⊃
ラン様、これが最期ですわ。
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―――――――

翌日、詩嬉は羽羽と共に仙洞宮にいた。


「……本当にお一人で行かれるのですか?」


羽羽は心配気に詩嬉を見上げる。

『そんな顔をなさらないで、羽羽様。私は大丈夫ですよ。必ず戻って参ります。それまで留守を頼みますね。』


笑顔で告げると空間に歪みができ、詩嬉の姿を飲み込んでいった。

一人残された羽羽は、詩嬉が消えた空間をただ心配そうに見つめ続けた――――。
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