HUNTER×HUNTER

□T
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ゆらゆらと





水に揺られているような気分





あぁ、私は死ぬのかな?





きっと、そうかもしれない






体が動かない





目が開かない





『?』





ふわりと浮かぶ体





しなやかな腕に支えられている





私をどこへ連れていくの?





私に何をするの?





痛いのは、もう嫌だよ…





まるで、私の考えを感じ取ったかのように私の頭を撫でる





「……安心しろ。
俺は、俺達はお前に何もしない。
だから、起きろ。」





起きる?





私はいつも起きてるわ





「目を、開けるんだ。」





目を?





『……………!』





さっきまで微動打にしなかった瞼が動く





目が、開いた





『!』





人が、いっぱい





『だ…れ…?』






私が紡いだ言ノ葉は酷く掠れていて、正直笑えた





「心配ないよ。
彼等は君の仲間だ。」





『そう………私は、ど、すればいいの?』





今まで話しかけてくれていた人に問う





「一緒においで。」





生きる術なんて知らない私にはその手にすがり付くのが精一杯で





『う、ん』





何度も頷きながら目から零れる水を拭った
 

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