キセキ以外

□クレオメ
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“花宮真って知ってる?すっごい優しい人なんだよ”

みんなそう聞いてくる
私がこの学校に転校してきたころから

彼はバスケ部に所属しているらしい

私とは縁のない人だ

そう思っていた

けど、あるきっかけにより関わってしまった


「では、文化祭の実行委員は名無しさんに決まりました。」


おいおい、どういうことだ。
てか、一人?
私、転校生だよ?


そんなこんなで委員会があり、なにやらバスケ部に資料を渡してきてほしいとか


なんということだ


まぁ、花宮という人にあえるからいいか




体育館へ向かうと入口にフーセンガムを膨らましている人がいた


『あのー。バスケ部の部長さんってどこにいますか?』


パンッ とフーセンガムが割れ彼は言った

「あぁ、花宮なら中にいるよ」

『ありがとうございます。あの、花宮君ってどんな人ですか?見たことなくて…』


「え、見たことないの?
あー転校生?
んー花宮はねー、眉毛がオタマジャクシで猫かぶってて、本当はすっげーゲスい奴」

なんか、全然関係ないこといってる。中身なんか聞いてないし。てかオタマジャクシって…


ん?ゲス?猫かぶってる?


『猫かぶってるって…』


「みんなの前ではいい子ちゃんぶってんだよー中身はヒドいから」

お友達だよね?そんなにゲスいのか…


『ありがとうございます。』


「んー」




フーセンガムの人にお礼をいい、私は体育館へ入った






あ、あれか、麻呂眉

わかりやすいな



『あの、これ、文化祭の資料です』


「ん?あぁ、ありがとう、名無しさんさん」


彼は優しく笑う

これが崩れたところを見てみたい

そんな好奇心がわき、

『あ、猫かぶらなくていいですよ。むしろかぶらないでください』

そういった



すると彼は少し目を開いたがすぐ、ニッっと骨格をあげ、 
「フハッ よくわかったなお前」

さっきとは全然違う口調でいった

『フーセンガムの人が教えてくれました』


「フーセンガム?あぁ、原か。
それにしてもお前、面白いな、「むしろかぶらないでください」って、初めてきいたぜ。
気に入った、お前、うちのマネージャーになれよ、そしたら毎日侮辱してやる」



なんだ。想像したより全然ヒドくないじゃん

でも、そう思うのは私だけかもしれない






クレオメ〜 想像したほど悪くない〜

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