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□第5話〜俺を信じろ!
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アラマ荘の下から怪物くんが、あらん限りの声で叫びます。
怪物くん「ヒロシーっ!」
夏休みに入ったその日、この夏1番の暑さを記録しました。
正直誰も外で遊ぶ気にはなれないこの日ですが、怪物くんには関係ありません。
ドラキュラ「坊ちゃーん…本当にこのクソ暑いのに遊ぶんザマスかー」
オオカミ男「そうでガンスよー、今日みたいな日は家の中にいるでガンスよー」
フランケン「フ、フガー」
怪物くん「うっせぇっ!俺はヒロシと遊びてーんだよっ!」
すると、ヒロシではなく出てきたのはウタコです。
ウタコ「怪物くーん、今日は暑いから家で遊ぼうってヒロシが言ってるー」
怪物くん「はぁっ!?絶対俺は外で遊ぶからなっ」
ウタコ「今日はかき氷やるよー」
怪物くん「かき氷??」
すかさず、ドラキュラは辞書を取り出します。
ドラキュラ「えーと、かき氷とは氷を削って雪状にしたものに、シロップなどをかけた、夏の代表的なスイーツ」
怪物くん「なんかよくわかんねーけど、うまそうだな」
ウタコ「おいしーよー」
ドラキュラ「ねぇ、坊ちゃん、ウタコちゃんもあぁ言ってるザマス」
オオカミ男「あっしらも、そのかき氷とやらを食べてみたいでガンスし」
フランケン「フガ、フガー」
怪物くん「…しょーがねーな」
そこまで乗り気でない怪物くんと、この炎天下の中外にいなければならない事態からはなんとか脱し、一安心したお供達なのでした。
4人が階段を登って行くと、丁度その時部屋を出で行くモアがいます。
ドンッ
怪物くんとモアの肩が思い切りぶつかります。
しかしモアは何も言わず階段を降りて行こうとしました。
怪物くん「おい…」
その声は聞こえているはずですが、モアはまた一段降りて行きます。
怪物くん「だから…まてっつってんだろっ!!」
モアの足がピタッと止まりました。
モア「…うっせーんだよっ!」
その瞬間その場の雰囲気が一気に凍りつきます。
もちろんお供達はわなわなしだすのでした。