番外の番外  (ホミンネタ)

□夢うつつ
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 チャンミンの出演する映画撮影の為、日本と韓国の往復、そして世界ツアーでのアジア圏をめまぐるしく活動している2人にとって、移動の時間だけがが睡眠という超多忙を極めていた。

 ましてやチャンミンは映画の台詞も憶えなくてはならない。1分1秒が無駄には出来ない為、同時にいくつもの作業をこなさなければならなかった。

 『初めて映画に出るから楽しいよ。今回のボクの役はは「ワイルドだろ〜〜?」』  
  
 数日前、チャンミンは笑いながら話してくれた。ファンのみならず自分だってこの映画の成功して欲しいと願わずには居られなかったが、体調の事も心配でならなかった。

 ファーストクラスの機内の中でぐっすりと眠っているチャンミンの無防備な寝顔を見とれながら、ユノはキスをしたい衝動に自分の中の理性と必死に戦っていた。
 ユノはチャンミンのぷっくりとした少し厚めの唇の形が気に入っていた。周りに誰も居なかったら、ここが公共の場所で無かったら、ここが・・・
 あぁ、今此処でたっぷりチャンミンの唇の感触と甘いキスの味を堪能したいのに。
 気になれば気になる程視線はチャンミンの
唇から目が離せなくなっていた。

 『荷物を取るフリをすれば・・・・いや、隣のマネージャーが気付く。・・・くっそ〜。』

 あれこれ頭の中で画策するも、名案が出ない。
  
「くしゅんっ」

 チャンミンが小さなくしゃみをした。

 『アッ!!』

 明暗が閃き、キャビンアテンダントにブランケットを頼んだ。

 持ってきて貰い其れをチャンミンに掛けてやるフリをしながら、どさくさに紛れキスするチャンスを伺っていた。

 『オレって策士?』自画自賛しながら、そっと近づき掛けてやりながらチャンミンの唇に触れる事に成功した。

 自分に課したミッションの成功に感激していると、寝返りを打ち此方を向いたかと思った瞬間


  「・・・おマエ・・・誰やねん・・・しつこいんじゃ。  ケッたくそワルいなぁ。・・・」


 えっ?!!   ユノの頭の中が一瞬にして真っ白になった。

 「マンネ・・・」

 美しき眠れる王子の口からはき出された、強烈罵声・・・・

 「死にさらせ。ボケェ・・」

  あぁ・・・役柄に入ってるのは分かるけど、分かるけど・・・並だが滲み出そうになった。

 と、急に目をパチっと醒まし周りを見回した後ユノに顔を向けいつもの笑顔で囁いた。

 「おはよ、ヒョン。今さっきね、夢の中でユノがキスしてくれた夢を見たんだ。それで目が覚めたんだね。」

 「そ、そっか・・・嬉しいな。」

 『やっぱ、マンネは天使と悪魔が同居してる。』

 やるせない気持ちのユノだった。

            

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