APH
□狂愛、共愛。
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仲の良い兄弟にも近く、それ以上の感情をお互いに持つ私達の関係は日に日に深まっていた。
その日、フェリシアーノ君がうちへやって来たのは午前2時のことだった。
重い瞼を押し上げながら寝巻のまま扉をあけると、柔らかい彼の香水が漂う。
ぎゅっと体を抱きしめられ、驚いて体を強張らせると、細長い指が私の頭を撫でた。
「ああ、良かった……! 寝てただけだったんだね、ごめんね……」
小さくそう言う彼は、心底安堵したように私を抱きすくめる。
こんな時間に連絡せず訪れたことでなんとなく彼の用件を察した私は、綺麗に筋肉がついた腰に腕を回して震える肩に顔を埋めた。
彼の香水に混ざる、汗の匂い。
「メール……途中で寝てしまってすみません……」
「ううん、いいんだ。 俺こそ突然来てごめんね」
悲しそうにそういう彼の、柔らかな茶髪を撫でる。
申し訳なさそうにするフェリシアーノ君に「嬉しいです」と伝えると、彼は控えめな笑みを浮かべた。
「うん……ありがと。 大好きだよ、キク」
何度言われても慣れないくすぐったい言葉。
顔が熱くなるのを自覚しながら頷くと、フェリシアーノ君は私を強く抱きしめた。