パパの悩み事
□4 Happy Birthday
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君菊のあのプレゼントの後に俺が渡す物はなんだか身が引ける。
それでも渡さねぇわけにはいかねぇしな。
「百合乃…ほら。」
『…!?』
まぁ驚くのも無理ねぇか。
14歳になったばかりのガキにやるようなもんじゃねぇしな。
ただどんな顔をするのだろうと百合乃の顔を見ると、
…泣いていた。
「おい、嫌だったか?」
ふるふると首を横に振る百合乃。
『嬉しくて。こんなにたくさんお花もらったの初めてだから。』
そう言って俺が渡した百合の話のブーケを握りしめていた。
そう。俺がプレゼントに選んだ物は通りかかった花屋で見つけたこの百合の花。
100本ほどまとめてブーケにしたのだ。
『お姉ちゃんもお兄ちゃんもありがとう。百合乃は世界一幸せだね。』
百合乃が浮かべた笑顔は、どんなに百合の花を集めてもかなわないほど綺麗だった。
喜んでもらえて何より、だ。