紙飛行機
□2 屋上
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「もう。ことりちゃん怖いなぁー。」
キレた私とは反対に、総司はただいつもみたいに笑って言った。
「初めてあったときは全然そんなことなかったのに。」
『それは…』
あのときは心が空っぽで
″自分″をつくるれなかったから─。
あんな自分、他人に見せたらいけなかった。
もちろん自分にも。
「弱みに漬け込むなんて最低って思ってる?」
『当たり前でしょ!』
「ひどいなー。」
そう言って、総司はまたはにかんだ。
この張り付いたような笑みも好きじゃない。
私だって人のこと言えないけど。