be in love, again
□3*be in love
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〜*Before 6Years*〜
「無様だな」
それは雨の降る夜だった。
「あれだけ罵られて反論のひとつもできんとは」
『放っておいてください。あなたには関係ないでしょう?』
振られた私を千景が”拾った”ことが全てのはじまり。
「そういうわけにはいかん。ずぶ濡れた子犬を見て、放っておくやつがどこにいる」
『私は子犬じゃありません』
「助けてやろうと言っているのだ」
『あなたには助けられたくない』
「ふん。素直じゃないやつめ。来い」
千景は私の腕を乱暴につかみ、自分の車へ引っ張っていった。
『離して!』
「強情な女は嫌いじゃない」
私の抵抗もむなしく、結局そのまま車へ連れ込まれてしまった。