だから笑って。
□02.メールははじまり
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side*美沙
中学3年の春
私たちは無事に中学を卒業した。
たくさんの涙と笑顔で溢れた卒業式は、一生の思い出となるだろう。
4月からは晴れて高校生だ。
そんな折、私は念願のケータイを手に入れた。
「中学生にケータイを持たせるのは早すぎる」
という硬派は親によって中学時代にケータイを持つことはできなかったが、卒業式を機に購入したのだ。
機種は最新型のスマホ。
自分の手の中にそれがあると思うとうれしくて、いろいろな機能を試す私。
だんだんと使い方にもなれてきて、誰かにメールしてみたくなる。
『そうだ!平助!!』
私は鞄から卒業アルバムを取り出した。
アルバムの空白ページに仲の良かった友人たちのコメントと一緒に、メールアドレスも添えて書いてもらったのだ。
〖美沙です。登録お願いします。ケータイ買ったよ!〗
メールを送りたくてうずうずしている私は、必要最小限のことを本文に打ち込んで
試しに平助に送ってみることにした。
メールを送信すれば、画面にはすぐに≪送信完了≫の文字が現れる。
返信を心待ちにしながら画面をじっと見つめていると、ケータイが光った。
すぐに受信ボックスを開けば、平助からのメールが一つ。
私はすぐにそれを開いた。