携帯獣

□あまりにも偶然すぎる
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あの日から私は狂ったようにひたすら強さを求めた。
誰よりも強くなろうと。
サカキに認められるため、組織を纏めるために必死で知識を付けた。
時には組織の奴らに馬鹿にされる事もあった。
だが、私は幹部にまで上がった。
養子だからといってのんびりしている暇は無い。
彼には本当の子供が、シルバーがいる。
きっといつかはシルバーに組織を託すのであろう。
でもあんな事があるなんて思いもしなかった。









レッド。
そう。
レッドと呼ばれる私と同じくらいの年齢の少年が1人で組織を攻めてきた。
組織は彼に歯が立たずあっけなくシルフの事件を境にサカキが行方をくらまし解散した。
勿論私もレッドには勝てなかった。
それが悔しくてたまらなかった。

たった1人の…義理だが弟もサカキと同じ時期に姿を消した。


私はまた居場所が無くなり、世界のトップを求め、旅に出た。



カントー、ホウエン、シンオウ…。
様々な人に出会い、ジムを制覇していった。
イッシュという凄い都会的な地方に行った時。
私はアララギというポケモン博士の研究所を訪ねた。
何故ならポケモン図鑑と呼ばれる物が欲しかったからだ。
もっと知識を得るために、誰かの役に立ちたいというために。


彼女は図鑑を私に託した。
その時、3つのモンスターボールからポケモンを選ぶように言われた。
図鑑を持つ者には必ずパートナーを託すようにしているらしい。
ボールから透き通って見えるポケモンから私はひと目でパートナーを選んだ。
それはツタージャというポケモンだった。
彼女…ツタージャもまた私に似ている所がある。
ただひたすら強さを求めている所。


私はイッシュを周り、様々な人々に出会った。
視界を広げて初めて分かった。
知らないポケモン、初めて足を踏み入れる土地。
あんなに不幸だった私の世界が広がった。
ただそれだけなのに私は凄く幸せだった。


そして私は世界チャンピオンになった。
だがそれで何が変わったのだろう。
また私は人生という道に迷ってしまった。









気を入れ替えるため、久しぶりにジョウトへ帰ってみよう。









だがまさかあんな事が起こるなんて思いもしなかった。
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