稲妻 短編

□ハロウィン2012
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夕方、陽が沈みかける頃。

水鳥「葵ー、飾り付けこれでいいのか?」

水鳥ちゃんと茜ちゃんにも来てもらい飾り付けと簡単なお菓子作りをしている。

葵「オッケー!」

葵の方も玄関にカボチャの置き物を置いたりハロウィンらしいすだれ的なやつを付けたりとしている。

「ねぇ、茜ちゃん?」

茜「うん?」

「写真撮らないでお菓子作り手伝って?」

なんだか私のお菓子作りの様子とか家の内部を写真に収めているのは気のせい…では無い。

「まぁ、後は最後のクッキー焼くだけだしいいか。」


テーブルには市販のチョコやら飴やらがバスケットに入ってピンクのチェックのマットの上に置いてある。

余熱をしていたオーブンにクッキーを入れて焼く。
その間に数袋買った3種類のチョコペンをお湯に付け、溶かす。

しばらくしてから、2階からバタバタと下りてくる足音が聞こえてきた。


星七「姉ちゃん、なんかすんの?」

葵・水鳥・茜「こんばんわ〜。」

星七「あ、こんばんわ。で?」

でっ…て。
オイオイ、その手に持っているゲームはなんだい?
どんだけゲーム好きなんだ。

「ハロウィンパーティー。」

星七「マジで?じゃあお菓子だけ後で持ってきて!ジュースも!」

と言い彼はまたバタバタと早足で階段を上っていくのだった。

水鳥「ははっ…。」

皆さん呆れてらっしゃる。
だから茜ちゃん…写真撮らないで?










「やったぁ〜、焼き終わったぁ!」


葵「こっちも終わったわ〜。」

オーブンからクッキーを取り出しそれにチョコペンやらチョコスプレーでトッピングする。
固まってから綺麗に皿に盛り付ける。

おっと、忘れるところだった。
カウンターの上にある棚からお盆と皿を取り出し余ったクッキーと市販のお菓子を適当に盛り付ける。
ジュース…。
冷蔵庫をパカリと開け、覗く。
とりあえず炭酸水をお盆に置き、コップ…はどうせがぶ飲みするから要らないと思い、お盆を持って2階へ上がる。


「おい、星七ー…お菓子。」

星七「中に持ってきて。」


渋々部屋に持って行くと変わらずゲームの画面に真剣な顔を向けている。
言われくても分かる。
すぐ側に置けばいいんでしょ?

星七「ありがと…。」


ブツブツと文句を言いながら階段をドスドスと下りていく。









(何であいつは勉強しろって言われないんだ?私ばっか…。)
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