新作構想ハイライト集

□リリカルなのは
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〜リリカルなのはA’s〜







「早いな、もう崩壊が始まったか…。
じきに……私も意識を無くす、そうなればすぐに暴走が始まる」



そう言って黒翼の少女は己の手を見つめる



目には涙



「そうなる前に……主の望みを、叶えたい」



目には涙


その言葉は切実で


悲壮で


どうしようもなく切なくて



浮かべた涙は己のものではないと


コレは主の涙だと


黒翼の少女は

『闇の書』は云う



大切な


大切な騎士を奪われた事に


大切な存在を奪った世界に



対する憎悪と


失った事に対する悲壮



夢であって欲しい



『闇の書』の主は認めたくない現実を前に



そう願った




騎士を奪った者に闇より深い死を



それを自分は道具だと云う


『闇の書』は実行に移そうとする



『Blutend Dolch』


ロストロギア


『闇の書』が言霊を呟く




同時に



なのは、フェイト両名の周囲に朱色の棘が出現


「「!?」」



意表を突かれる形になった、なのはとフェイトは息を飲む




「闇に沈め」



やはり黒翼の少女は泣きながら呟く



呟きに応じて


純粋な殺意を載せて朱色の棘はその輪を縮めるように飛翔し



爆散




それに対し


黒翼の少女は表情を変化させる事もなく


涙を流しながら




噴煙の上空を静かに見やる




そこには飛翔する二人の少女



なのはとフェイトの生存に黒翼の少女は眉一つ動かさずに状況の推移を眺める




「ッ!!!この…駄々っ子ッ!!!!」
『Sonic Drive…』

主の憤りに応え

ヴァルディッシュは言霊を静かに述べる


両手首


両足首より黄色の閃光が迸り


「言うことを…」

フェイトはヴァルディッシュを手にその小さな体を斜に構えて…


『…Ignition』


「聞けぇぇぇェッ!!!!!」


ドンッ!!!!



ある種、必死さを放つフェイトの叫びと同時に



空間が爆ぜて



その小さな体が加速し




上空に静止する黒翼の少女の下へと空を翔る
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