小説
□創作 メルト
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朝、目覚ましの音で跳ね起きた私が、1番に考えたのは今日のことでした。
そう、今日は大好きな彼とのデートの日です。
目覚ましもいつもより1時間早くセットしました。
私は急いで朝食を食べ終えて、昨夜準備しておいた洋服に着替えました。
今日のために用意した、とびっきりの服です。
なぜなら今日は特別な日だからです。
真っ白なブラウスに大好きなピンク色のスカート。
彼は可愛いって言ってくれるでしょうか。
私は鏡の前でにっこり笑ってみました。
彼は私の笑顔が好きだと言ってくれました。
だから私はいつでも笑顔でいるのです。
そこで私は思いついて、部屋の棚から小さな赤い箱を取り出しました。
中には黄色の可愛い花が咲いているのです。
彼からの初めてのプレゼントの髪留めです。
そっと髪につけると、なんだかそこだけ明るくなった気がしました。
自然と頬が緩んでしまいます。
ああ、早く彼に会いたい。