小説
□創作 ワールドイズマイン
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本当に嫌だったわけじゃない。
君の、たくさんのわがまま。
今となっては伝えるすべもないけれど。
近くの公園で待ち合わせ。
おしゃれな店で買い物だとか、喫茶店でお茶だとか。
君は少し不機嫌そうな顔だった。
僕は気にもとめずに少し前を歩いていた。
いつものことだから。
そうしたら、君は突然声を荒げた。
あなたってホント鈍感!!
せっかくいつもと違う髪型にしても、新しい服もくつも、まったく気付いてくれないんだから!
呼びかけても、うん、とか、そう、ばっかり!
こんな風に怒られることはしょっちゅう。
それから君は決まって左手を出す。
手をつなげってことらしい。
最初はわからなくて余計に怒られた。
わたしのこと、わがままな子だって思ってる?
時々、君は聞く。
少し拗ねた風に。
そんなことないよって答えると
そう、って満足そうに笑う。
どうして気付かないの、とか
女の子を待たせるなんてありえない、とか
よく怒られたけど
甘いものが食べたいの!
今すぐ買ってきて!!
ってねだる君が可愛くて
大好きでした。