小説
□創作 メルト
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それから私はとても長い時間を時計とにらめっこして過ごしました。
時間って待ってるととてつもなく長く感じますよね。
かばんを下げて、最後に姿見の前に立ちました。
もう1度にっこり。
うん、今日の私はとっても可愛い。
なんちゃって。
いいんです、だって今日は特別な日なんですから。
そうして、足取り軽く家を出た私は待ち合わせの場所に向かいます。
ドキドキが抑えられません。
早く彼に会いたいな。
「 」
今、声が聞こえた気が。
振り返ってみました。
どこかの制服の女の子2人が携帯片手に話していました。
ほかにはブチの猫が1匹、のんびり塀の上を歩いているだけでした。
聞き間違いですね、きっと。
私には関係なさそうです。
ああ、早く彼に会いたいな。
私はまた歩き出しました。