僕らの生きた日々
□明日が消えた日
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目を覚ますと、そこは暗くて何もない所だった
そうだ……私は、綱道さんに捕まったんだ
その証拠に、私の両手首には鎖に繋がれた枷がつけられている
――このまま誰も来なかったら、私は羅刹の王国に利用されるのかな
私自身も羅刹に身を堕として、敵も味方もわからぬ間に死んでいくのではないか
沖田さんを、殺してしまうのではないか――
彼に殺されるならいい
だけど、もしその逆だったら
私はきっと、耐えられない
「沖田……さん」
この世で一番愛しい人の名を紡ぐ
その音は私にとって、私が私でいられる希望だった
この名が分からなくなった時――……
私は、消えるのだから
――私の頬を伝ったのは、天の雨粒だったろうか……?