MAIn。
□もっと。
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お願いだから、もっとこっちきて?
もっと。
「くりすー!ちぇんちぇんが僕の事叩いた〜!」
パンダが目に涙を溜めてクリスの近くにやってきた。
「違うよクリスひょん!先にタオが俺を叩いたんだって!」
朝っぱらからチェンとタオがくだらない事でまた喧嘩してる。
僕はひとり、キッチンに立ちみんなの朝ごはんを作っていた。
「タオ泣くなよ〜ごめんって〜」
チェンがへにゃへにゃした声を出してタオを慰める。
「みんなうるさい!今せふんと電話してるんだけど!」
るはんが大きな声を出して怒るとまたタオが泣きだした。
クリスがチェンをどこかへ連れていった。
僕はめそめそしているタオのもとへ駆け寄る。
「タオ、ご飯できたからたべよっか」
優しく微笑み、頭を撫でてやるとタオは途端に笑顔になって僕に抱きつく。
泣き虫パンダめ。
タオのせいで僕はクリスに甘えられない。
べつにタオのせいってわけじゃないけど、タオはせいっていうか…
僕は昔からクリスが好き。
初めて事務所にきたときだって、最初にあったのはクリスだった。あのときからずっと僕はクリスが大好き。
だけど、クリスはそんなこと知らない。絶対。
この距離が壊れるのも嫌だから気持ちを伝えるつもりもない。