界と界

□夢魔が降り立つその夜に
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「壊れたら、少しは楽になるさ」

抜けそうなくらいギリギリまで抜かれた後、一気に最奥まで貫くと悲鳴に近い嬌声が上がった。
白い火花が散る中で、ヨザックの温もりを感じながら白い闇に身を委ねた。
ヨザックの言葉は耳に届かぬまま、夢さえ見ない深い眠りに落ちた。





眩しい光が瞼を透過してきてコンラートは、重たい瞼を引き上げた。寝返りを打つのも億劫なほどの疲労感は、また眠りの世界に引きずり込もうとしているが、このまま眠りに就くわけにはいかない。

「おっはよーん。コンラート」
「……」

朝からやたらテンションの高いヨザックにうんざりしたコンラートは、一発殴ってやりたい衝動に駆られた。

「あらー。昨夜はあんなに積極的だったのにー。どうしたのぉ」
「ヨザ」
「ん?」
「その口を閉じろ」

口を閉じてもにやーっと笑うヨザックは、いつまでもコンラートのことを見つめ続ける。

「鬱陶しい」
「ひどっ」
「ヨザック」

あえて冷たい口調をすれば、ヨザックはようやく冗談を口にするのを止めて、コンラートの額に掛る髪を払った。

「悪い夢は見なかっただろ」
「あぁ、見なかった」

夢魔が去った朝、眩しいくらいの朝日がカーテンの隙間から滑り込む。

今晩からはよく眠れそうだ。

そんなことを考えながら、布団の中で伸びをした。




Fin.
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