□ハルノカヲリ。
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「なー!待てって!
わーにぃー!!」

「うるせェ
ついてくるな!」

ギューッ
「・・・ハァ」

自分の腕に
絡めてくる伸びる手を振り払うことに疲れ
クロコダイルは深いため息をつく


「ニシシ!」
何度も乱暴に振りほどかれた手を
やっと許してもらえ、
無邪気な笑顔をみせるルフィ


「なぁ!
鰐ー!これからどこに行くんだ?」


「テメェみたいなガキが
入れない場所だ」

「おい!俺はもうガキじゃねー!!取り消せー!」

「クハハ、ガキが背伸びしてんじゃねェよ
どうみてもガキだ」

「・・」
急に黙り込み立ち止まるルフィ
「・・あ?どうした麦わ..ら?
おい、お前何で...」

うつむくルフィの足元には
小さな水溜りができていた

「・・チッ、何泣いてんだ...
そういう所がガキなんだ」


「・・っ、だってお前が、
何回も、俺の事ガキだって、っ、
バカにするからっ!!
俺はもうっ、もう大人だっ!!」


「・・ハァ、じゃあ聞くが
年はいくつになる?」



「・・っ、ひっく、
19歳っ!!」


クロコダイルは
こぼれる涙をみせないように
ゴシゴシと目をこする
ルフィを見て、
煙を吐きながら言った


「クハ、19のどこが大人だ。」

「っ・・俺は、
お前が危なかったら
命かけて守るしっ、
お前より、飯だって食べるしっ、
俺は、っ俺は

お前の事本気で愛してるんだぞっ!」


「っ・・!
馬鹿野郎、それは、違うだろう。
大人とは関係ねェよ」

「っ、そ、そう、なのかっ??」
大粒の涙を目に浮かべ
ルフィはまた泣き出しそうになる



また泣かれては困ると
ルフィの目線まで屈み
両頬をぎゅっと挟みクロコダイルは静かに言った



「・・分かった、
おまえはガキじゃねェよ。
たしかにお前は三億ごえのルーキーだし
よく食うし、、
ハァ、俺の事嫌ってないのも分かった。」
「嫌ってないんひゃない!
愛ひへるんひゃほ!」

「・・っ、」

そんな少年の真っ直ぐな瞳に
黄色い瞳は少し揺れる


「・・っとにかく、悪かったな、」

手を離し
体勢を整えようとした
クロコダイルはルフィの両手によって
引き戻された。

「・・っ!なにやって・・」

ちゅっ...


「っ、てめ、っっ!!!」

「ニシシ!
やっぱり俺のほうがオトナだ!
クロコダイルよりも先にちゅー
したんだからな♪」

「・・っ、生意気な・・///」

「もう俺大人だから
これからクロコダイルが行くところ
連れてってくれよ?」

「・・っ、勝手にしろ・・!」



カツカツと靴音を立てながら
歩き出すクロコダイル。

上機嫌にスキップをしながら
その背中をおいかけるルフィ。


「愛してるぞーー!クロコダイルっ!
ニシシっ」

「・・っ、うるせェ!」








春の香りが漂いはじめた季節のお話...






end.



















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