影に呑まれた中学生

□2―[何か]
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―Side第三者―
渡辺が里奈と口論してから時は流れて2時間がたった。
「皆いるな?いない奴がいたらすぐに言えよー犯す。」
爽やかな笑顔を外さずに片手で丸を作り、そこに人差し指を刺す真似をする。

「……渡辺が来てないぞ。」
「犯す。」
「「「「「やめろ!!!」」」」」
言ったらやりかねない不器用男空河和を全員止めようと必死だ。

「ごめん、遅れた!」
「明日泊まりに来いよ。犯してやんよ。」
「ひっ、ちょ、腰触んな!」
爽やか笑顔が怪しい笑みに変わる和に、渡辺は怯えている。
「やめなさい。怯えているじゃないの。」
そこに割って入って来たのは裕美だった。

「犯すなら勇気を犯してなさい。勇気は囮なんだから。」
と黒い笑みを浮かべて勇気の襟を掴んだ。
「っ?!な、何?!」
「まだポンライオン持ってるの?」
勇気は訳がわからないという顔をしている。
「……どうでもいいからさっさとやるぞ。ごほっ、」
雰は「今、熱あんだからさっさとやりたい」と言うと校舎に入った

ちなみに、肝試しのルールはこうだ。
@一人で行くか、ペアで行くかを決める
A順番を決める
B逝く
C教室を全部回って屋上に待機
D(心霊)写真撮影
といった感じだ。
「どうだ?簡単だろ?」
「Bの逝くって何?!(心霊)写真撮影って何?!」
里奈はすかさずツッコミを決める。
「幸八、一緒に行かない?」
「お前とか?……別にいいけど。」
「じゃあ、ひろろんは私と行こう!」
「へ?あ、うん。よろしくね、雪穂ちゃん。」
「菜々子。」
「わかってるわよ、美月ちゃん。」
それぞれペアや、一人で行き始める。
「じゃあ、俺は一人で……」
ガシッ
「一緒に決まってるだろ?」
校舎に渡辺の悲鳴が響いた。
「……残り物も行くか。」
「「「おー……」」」
女子は大体いなくなった為、残った男子達で行くことにした。
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