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□ケータイ恋模様
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attention!
・ユイさんが生きてる
・カヲル君だけ違うクラス








『あんた自分のクラス行きなさいよこのナルシスホモ!』
『碇くんは私が守る…』
「僕はシンジ君に会わなければ元気が出ないのさ」


教室に入る前からいつものケンカ(?)が聞こえる。

僕は笑いを堪えながら教室の引き戸を開けて入って行った。



「おはようカヲル君、アスカ、綾波!」
『おはよう、碇くん』
『ふん、今日は3バカトリオじゃないのね』
「おはようシンジ君」

「ケンスケ達は職員室に呼び出されたんだ」


鞄から教科書を取り出しながらいつもの教室でいつもの挨拶をカヲル君と交わす。

「それよりシンジ君、今日の君はすごく嬉しそうだ。何かあったのかい?」

そう問いかけるカヲル君に僕はびっくりして教科書を出していた手を止める。


「すごいや、どうして分かったの?カヲル君」
「君の事ならなんでも分かるさ。それより、何があったか教えてくれるかい?」

優しくそう言ってくれるカヲル君にまた嬉しくなって僕はズボンのポケットから"それ"を取り出しカヲル君に見せた。


「見て、ついに買ってもらったんだ!」

それは傷ひとつないコバルトブルーのケータイ。


「昨日やっと母さんが買ってくれたんだ 」

母さんは中学生にケータイは早いと言って買ってくれなかったんだけど、ずっと説得していたら昨日やっと買ってくれたのだった。



『良かったわね、碇くん』
「良かったねシンジ君。夢が叶ったじゃないか」
『ケータイだけでそんな喜んじゃってガキみたい』
「いいじゃないか、欲しかったんだから」


アスカはいつもの調子で、綾波は少し微笑みながら言ってくれて。
何よりカヲル君が自分の事のように喜んでくれることに僕は嬉しくなって、笑って頷いた。


「…そうだ、君のケータイを少し貸してくれるかい?」
「え?あ、うん。いいよ」

ふと思い付いたように言うカヲル君に、僕は不思議に思いながらも自分のケータイを手渡す。

すると自分のケータイも取り出し慣れた手付きでキーを押していくカヲル君。
僕は何をしているのか分からずカヲル君を見つめるだけ。


しばらくしてカヲル君がケータイをを返してくれたので画面を見る。

「僕のアドレスを一番に登録しておいたよ。もちろん君のアドレスも僕のに登録しておいた」

「うわぁ、ありがとうカヲル君!」

ケータイを両手で包むように持って満面の笑みであろう僕。

ふと予鈴が鳴ると、カヲル君は椅子から立ち上がり微笑んだ。

「あとでメールを送るよ、確認のためにね」

そう言い残してカヲル君は教室から出て行き、間髪入れずに先生とケンスケ達が教室に入って来た。
それぞれが所定の位置に着くのを見計らったように委員長の号令と共に朝のHRが始まった。


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

1時間目は自習で、僕はケンスケ達に宿題を教えていた。

アスカと綾波は席替えで僕とは席が離れて前になったので2人で予習。


ふと机に入れてたケータイの画面が光ったので取り出してみると、カヲル君からのメールで。

「シンジ、ケータイ光ってないか?」
「うん、カヲル君からメールだった」

ケンスケに返事をしつつメールを開くと、届いているかを確認するメールだったので僕は肯定の返事を送る。


しばらくするとまたメールがきて、僕はそれを開く。



〈愛してるよ、シンジ君。放課後にでも返事をくれるかい?〉

「Σええぇぇぇぇ!?」
『静かにしてよ碇くん!授業中なのよ?』

僕が思わず叫んでしまうと、委員長が僕を注意した。

小さな声ですみませんと言ってから僕は机に突っ伏す。


「どないしたんやセンセ?」
「Σななななんでもないよ、それより答え間違ってるよトウジ!」
「あ、ホンマや」


トウジの気を反らしてから僕はまた考え込んだ。

(カヲル君のことは僕も好きだけど…でも男同士だし……でも…)



お昼休みになるまで僕は呆けていたらしく記憶はなかった。

『バカシンジ、あたしのお弁当は?』
「はい、こっちがアスカのでこれが綾波の」
『ありがとう、碇くん』

アスカ達にお弁当を手渡しているとカヲル君がやって来た。

「シンジ君、屋上に行こう」
「う、うん。ち、ちょっと待ってね」


僕は自分のとカヲル君の分のお弁当を持って教室を出た。


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

屋上でお弁当を食べている間、カヲル君はメールの事は一切触れなかった。

拍子抜けしそうになったけど、教室に戻るときにカヲル君が"良い返事を期待するよ"何て言うからまた顔が赤くなった。


そうして1日が終わり放課後、僕は誰もいない教室の椅子に座ったまま固まっていた。

少し前までアスカ達がいたんだけど、声をかけられても動かない僕にアスカは呆れながら綾波を連れて帰って行った。

しばらくするとカヲル君が教室に入って来て。


「やぁシンジ君、帰らないのかい?」
「…うん、カヲル君に返事をしようと思って」

僕の心は決まっていたから。
逃げちゃダメなんだ、カヲル君を裏切ることになっちゃうから。


「カヲル君、僕もカヲル君が好きだよ」


言った瞬間にカヲル君が嬉しそうに微笑んだ。







ケータイ恋模様


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
あとがき

はい、わけわかめ!←
とにかくケータイネタが書きたかったので書いたらこうなりますた

ちなみにカヲル君の着信音はカノンでシンジ君は第九という裏設定ww


失礼致しました<(_ _)>

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