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□雪の日
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attention!
・タイトル通り雪が降るよ、常夏の国じゃないよ!





"第3新東京市に雪が降る"

そう聞いた僕らは雪ってなんだろうって思って、ミサトさん達は懐かしいわねーなんて話してた。

なんで雪が降るのか、リツコさんがMAGIに聞いたけど原因不明。

僕は少しわくわくしながらその日を待っていることにする。
アスカには子供みたいって言われたけど僕は知ってる、アスカも雪を楽しみに待ってるのを。


雪が降るのは3日後らしく、服屋にはセーターとかコートとか手袋とかマフラーが並んでいた。

非番のミサトさんが僕らの分の冬服を買ってくれて。

"なんか積もるらしいから防寒具は必用よ"なんて言ってるミサトさんは少し嬉しそうだった。


次の日、やはり雪が降るくらいの気温で少し寒い。

「おはようカヲル君!」
「やぁ、おはようシンジ君」

学校に行く途中、新しいセーターを着込んだカヲル君を見つけて僕は駆け寄りながら挨拶する。

「カヲル君もセーター買ったんだ?」
「あぁ、昨日のうちにね…シンジ君もかい?」
「うん、ミサトさんが買ってくれたんだ」


2人で並んで歩きながらあれこれ話す通学路。
後からアスカと
綾波も来て4人で登校。

教室にはストーブってヤツが置かれて、みんな雪のことを話題にそれに群がっていた。


雪が降る日は土曜日で、使徒が来なければエヴァの調整をするらしく非番になる。
そんな日にカヲル君といられたら嬉しいだろうな…なんて思った。


〜〜〜〜〜

金曜日の放課後、僕はカヲル君と手を繋いで一緒に帰る。

「いよいよ明日だねカヲル君!」
「そうだねシンジ君」

初めて着たコートは少し重かったけど暖かかった。

「…ねぇシンジ君」
「なぁに、カヲル君?」

ふと僕を見ながら問いかけるカヲル君にドキッとしながら応えて。

「明日、一緒に雪を見ようよ。シンジ君さえ良ければ、今日は泊まっていってほしい」

その言葉に更にドキッとして。

「………いいの?」
「もちろん、葛城三佐にも聞いてからね」

微笑むカヲル君に何度も頷きながら僕はケータイでミサトさんに連絡する。
OKの返事が来るまでにそう時間はかからなかった。

「ミサトさんがOKだって」
「それは良かった、安心したよ」

僕は頬が緩むのを感じながらカヲル君に言うと、カヲル君も笑って"じゃあ行こうか"って手を引いてくれた。


〜〜〜〜〜


「こ
こがカヲル君のうち?」

しばらく歩いて着いたマンションはすごく大きくてびっくりした。


「うん、何もないけどね。さ、上がって」

カヲル君がドアを開けてくれ、僕は"お邪魔します"って言いながら遠慮がちに靴を脱いで部屋に入る。


カヲル君の部屋の印象を一言で言えば殺風景。
円形のいわゆるちゃぶ台と座布団が2枚。
1人分の食器と2つのマグカップが丁寧に収納された食器棚。
少し冷たいような感覚。


「適当にくつろいでいてくれ、お茶を用意するから」
「おおお構い無く、…っ」

緊張する僕にカヲル君は笑いかけてキッチンへと向かった。
僕はとりあえず


数分の後、カヲル君がマグカップを2つ持って戻ってきた。

「コーヒーで良かったかい?」
「うん、ありがとうカヲル君」

笑顔でお礼を言ってコーヒーに手を伸ばす。


ご飯は僕がつくろうかって提案したけど"お客人はゆっくりしていておくれ"って言うから僕は宿題をして待っていた。


できあがったご飯はすごく美味しくて、次は僕がつくるねって言ったら"また来てくれるんだ、嬉しいよ"って嬉しそうに笑ったから僕もつられて笑った。


寝るときになって、僕はリビングで寝ると言
ったけれどカヲル君が一緒に寝ようって言ってくれたのでものすごく恥ずかしいけど隣に寝転ぶ。

カヲル君のベッドはカヲル君の匂いがした。

「おやすみシンジ君」「おやすみ、カヲル君」


〜〜〜〜〜

ー朝。

やけに白い光で目が覚める。

「おはよう、シンジ君。窓の外を見てごらん?」

早起きのカヲル君に促されて目を擦りながらカーテンを引く。


「わぁ………!」

窓から見たそれは昨日とは全く違う、一面まっしろな世界で、今なお雪が静かに降っていた。

「朝食を食べたら少し外へ出て見ようか」
「うん、そうしようカヲル君!」


手早く着替えて昨日の夕飯の残りで朝御飯にして、コートに手袋、マフラーを着けて外へ出る。

目の前の道路や街路樹に雪が積もって白くなってるのを見て僕はただすごいや、としか言えなかった。

「シンジ君、ほらこれ」

黙々と何かをしていたカヲル君に呼び掛けられ手の中にあるそれを見る。
野球ボールくらいに丸められた雪の上に一回り小さい雪玉がのっているそれはなんだか可愛かった。

「なに、これ?」
「雪だるまさ、作ってみるかい?」

そう言われ僕は見よう見まねで雪だるまを作る。
雪はすごく冷たくて

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