宝
□守り人
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船首にちょこんと座る船長を見るのは今日で3日間ぐらいになる。
船員のサンジは厨房のドアの丸窓で、ゾロは甲板で、ウソップは船尾で、ナミはミカン畑で。
朝から夜まで、ご飯以外は船首に座るルフィに、船員はちょっと…いや、物凄く心配していた。
こんな船長を見るのは始めてだったからだ。
船員は会議を開くことにした。
「ルフィ、いったいどうしちゃったのかしら?」
「ほんとだよな〜ずっとあのままだぜ?」
「ああ、いつも肉肉うるせえのに、どうしたんだろうな」
「……」
「あんなルフィ始めてだから、調子狂うわよね」
「話しかけても、あー、とか、うーとか…全然聞いてくれないから、心配通り越して虚しい…」
「ルフィは基本的に話聞いてないだろ。ただ、静かなルフィは珍しいな」
「……」
「…ちょっとゾロ!あんたも会話に参加しなさいよ!」
「?…何のことだ?」
「聞いときなさいよ!」
「ナミさん、良いこと考えましたよ」
「あら?サンジくん何かしら?」
サンジはニヤリと口許に笑みを浮かべると、ゾロに目線を送る。
「マリモ頭にルフィの事頼みましょう♪」