おとぎばなし
□勘違いから
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「…う……ん⁇」
朝、無駄に柔らかい物に触れて目が覚める。
レクターかな〜…、なんてまだ覚醒しきってない頭で勝手に判断して。
それを抱き締めようと手を伸ばせば
「んん?」
明らかにレクターよりもでかい"何か"が俺の隣に横たわっていて。
慌ててばっと布団を剥げば、そこにいたのは、"裸の女"だった。
「……え?……誰⁇」
相手はうつ伏せに寝ている為に顔が見えなくて。
とりあえずその髪の毛を退かして顔を覗き込んだ。
「……ごんべさんさん⁇」
そこにいたのは、俺の意中の人。
何だ夢かぁ、って思って自分自身で相当な力を入れて頬を引っ張れば、
「っってぇ……」
それなりに痛かった。
それでか、だんだん頭が覚醒してきて。
もしやと思い、自身を見ればパンツしか履いておらず。
待てよ、これってもしかして……
もう一度ごんべさんさんの方を見れば、やっぱり裸で。
男女+裸+ベッド=……?
……いやいやいやいやいや‼︎
待て待て待て待て!!!
最悪の事態が頭をよぎったが、認めきれず、とりあえず他の事を考える。
待てよ、何で妖精の尻尾のごんべさんさんが俺の隣で寝てるんだよ⁉︎
昨日の記憶を懸命に思い出して。
やっと、"事"の経緯に繋がりそうな事を思い出す。
そうだ‼︎
確か昨日は妖精の尻尾の人達と飲んでて……
丁度ごんべさんさんの隣になって2人でずっと飲んでて……
話が盛り上がったから、2人で飲み直すか‼︎つってとりあえず街を歩いて……
それから……
ダメだ‼︎肝心な事が思い出せねェ‼︎
"事"に至った経緯がどうしても思い出せず、1人で葛藤して。
もう一度ごんべさんさんを見て。
……やっぱ、可愛いな。
なんか、いい香りするし。
つか、白いし、細ェ。
よくこんなんで折れねェよなぁ……じゃねェだろ俺‼︎!!
まじまじとごんべさんさんを見てしまった俺に喝を入れていれば。
"……う……ん⁇"って何処かで聞いたようなフレーズが隣から聞こえてきた。
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