〜story〜

□〜夢見るロケット少年〜
1ページ/2ページ

「…エドワードさん、ノーアさん……」
食事中にアルフォンスがオレとノーアに話しかけて来た。
ノーアは何?と聞くと、ハイデリヒは真面目な顔でこう言った。
 
「サンタさんって絶対ロケットに乗って世界を周りながらプレゼントを配っていると思いませんか?」
 
 
 
〜夢見るロケット少年〜
 
 
 
「「………」」
オレは持っていたスプーンを皿の上にカシャンと落とし、ノーアは目を丸くした。
ちなみに今日の晩飯はオレの大好物、シチューだ……あっ、いや、今はそんな事どうでもいい…。
 
「あぁ〜アルフォンス…サンタなん…「エドワード!」
ノーアがいきなりオレの口を手で押さえて来た。ついでに鼻も…。
 
「アルフォンス、何でサンタがロケットに乗って来ると思うのかしら?」
「だって…トナカイじゃ、世界の子ども達にプレゼント配り終わらないじゃないですか〜だから、一番速いロケットでパッパッパッと配ると思うんですよ!」
ノーアは母親のように問い掛けると、アルフォンスはまたまた真面目で真剣に答えた。
 
ロケットじゃ速すぎて逆に配りにくい事はアルフォンスは気付いているのだろうか?
つか…息が……。
 
「そうね、アルフォンスの言う通りかもね?」
「やっぱりノーアさんもそう思います++」
ノーアはニコニコと微笑みながら言うと、アルフォンスは目を輝かせながら嬉しそうに笑っていた。
…もう…駄目かも……。
 
「あの〜ノーアさん…早く離さないとエドワードさんが…」
「Σあっ…ごめんなさい、エドワードι」
アルフォンスのナイスな言葉でやっとノーアが手を離してくれたι
オレは大きく何秒かぶりの酸素を吸った。
 
「ハァ、ハァ……あ、あのなアルフォンス…「よし!僕、クリスマスイブの時に寝ないでサンタさんを待ちますね!サンタさんに色々ロケットの事聞こうっと♪」
オレの言葉はアルフォンスの言葉によって消された。
そして、そのままアルフォンスはいつの間にか食べ終わった食器を流しに置いて自室にルンルン気分で戻って行った。
 
「エドワード…分かっていると思うけど、アルフォンスの夢は壊しちゃいけないわよ?」
「……お、おう…」
ノーアは女とは思えないほど低い声でオレを睨んで来た。
 
「…にしても、クリスマスイブの日に本当に寝ないでいたらどうするんだよ?」
「その時は…睡眠薬でも飲ませて寝かせるわよ…フフフ+」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ