〜story〜
□〜幻〜(シリアス)
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「大佐!!」
ロイはガバッと顔を起こした。
「大佐、起きましたか?」
リザは大量の書類に目をやりながら言った。
「あっ‥あぁ、起きたよ…‥」
「そうですか。大佐、居眠りもいいですが、ちゃんと仕事もしてくださいね」
リザの手はもうすでに、銃に伸びていた。
分かっていると、ロイは背筋をゾクッとしながら言った。
「なら、いいですが…‥」
「大丈夫‥ちゃんとやるから、少し一人にさせてくれないか?」
ロイのお願いにリザはしばらく考え、分かりましたと、言って部屋を出て行った。
「……‥」
静かな部屋の中、ロイは手首を見つめた。
幼い少年には手首を掴まれた。
「いや、あれは夢だ‥幻…‥」
ロイは自分に言い聞かせ、大量の書類に手を伸ばしていった。