劣等感
□お人形さん
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おや、君はとてもお人形さんみたい。背が低くて目が細くて唇が薄くて手が小さくて…嗚呼、本当にお人形さんみたい。
僕はどうも君を好きになってしまったみたいだよ。凄く凄く凄く好きになってしまったみたい。
だってこうして君を前にすると、僕の心は今にも爆発してしまいそうだし、余りの緊張で全身に力が入ってしまうんだ。
恋。恋に違い無いと僕は思う。そしてもっともっと君を好きになりそうな気がするよ。
ほら、ご覧、お月様が奇麗だね。今日は三日月だ。真白に輝くお月様。君の瞳みたいに奇麗だよ。
ねえ、口付けしても良いかなあ。僕の愛情、その全てを込めて口付けしたいよ。
わあ、お星様までも輝いているね。あのお星様を全て君にあげたいよ。嗚呼、奇麗だね。本当に奇麗だね。
あ、閃いた。君への愛情を歌にする事が出来そうだよ。聞いてくれるかい?
月光り
星瞬き
その光に照らされたる君 嗚呼、罪でさえある美しさ
夜翳り
陽出れば
嗚呼、悲しき哉 君砂の如く崩れ落ち 僕の前から消え去りて
嗚呼、悲しき哉 嗚呼、悲しき哉
永遠に、もう永遠に二人出会う事無く 地はまた廻る
君無き世は
君無き世は
僕殺す無情の現
君、僕はもう我慢する事が出来ないよ。どうしても、どうしても君に触れたいよ。今。どうしても。
口付けしても良いかなあ。深く口付けしても良いかなあ。
わあ、君の唇は、とても冷たくて、同時にとても温かく、そして魅力的だね。何度もしよう。口付けを。口が爛れても口付けをしよう。
君の手…、とても冷たいね。それでも同時に温かい。か弱き手。嗚呼、僕が、守るんだ。
君の胸…、とても柔らかい。形が良くて、大き過ぎず小さ過ぎぬ真に美しい形と弾力と。
君の肌…、とてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとても…透き通っている。同化してしまいたい。君の一部になりたい。
君の乳首…、こりこりとしてとても可愛いね。味は…甘い…。花の蜜みたいにとても甘い…。
君の陰核…、嗚呼、嗚呼、嗚呼、嗚呼、何たる事! とても…とても…僕を誘うよ。
君の膣…、液体が僕を求めているよ。嗚呼、とても…求めているよ。そしてご覧、僕の陰茎も…こんなに硬く…大きく…君を支配しようとしているね。
ああああああ…凄く…温かい…。そして君の膣は…僕の亀頭や陰茎を謙虚に咥え、けれども激しく飲み込もうとして…嗚呼、僕、今にも…嗚呼…何か狂ってしまいそうだよ…。嗚呼…絶頂が僕の真後ろに息をする。気持ちが良いかい? その恍惚の表情…奇麗だ…とても奇麗だよ…。もっと僕を咥えて。そして飲み込んで。嗚呼…僕はもう…今までに見た事の無い境地へ達しそうだよ…。君、一緒に…行こう…嗚呼、嗚呼、嗚呼、嗚呼、嗚呼、嗚呼、嗚呼、……………………嗚呼っ!
素敵だよ。とても良かった。こんな素晴らしい快感は今までに一度も味わった事が無い。
君、お別れなんて…とても出来そうにない。もっと君とずっと一緒に居て…夜空を眺めたり、今みたいにこうして感じ合って居たい。
だから君が土に埋もれる様にして消えるのは…駄目だ。もっと一緒に居よう。ね? ずっと一緒に居よう。
ただ…君は小柄だけれども…携帯するのに不便だから…腕と、足と、首と、………一度切り離してしまおうね。
嗚呼、僕の思った通り。
やっぱり君はお人形さんみたい。
家へ帰ったら、また、組み立ててあげるからね。そしてまた愛し合おう。何度でも。何度でも。
しかし、何度見ても君はお人形さんみたい。大好きだよ。ふふふ。