Out Of The Blue
□#23 Image Change!
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「ちょっと来い。」
私の腕を掴んでいるのはグリムジョーだった。
「ちょ、ちょっとグリ!」
抵抗してもびくともしない。
何時の間にこんなに力、強くなったんだろう・・・・・・。
無理矢理、彼に引かれるままに私は何処かへと連れて行かれた。
ガコン、と音がして紙パックのジュースが下へと落下して受け取り口にぶつかる音がした。
しかも2つ分。
「ほら。」
無理矢理手に握らされる250ml入りの紙パックのオレンジジュース。
「・・・ありがとう。」
私はそれを渡されるまま素直に受け取った。
そのまま2人階段に座りこむ。
グリムジョーは何も言わない。私も何も言わない。
暫く私達2人の間で沈黙の会話のリレーが続く。
いい加減沈黙が嫌になってきたのか、グリムジョーが痺れを切らしたように口を開いた。
「一体どうしたんだよ、今日はやけにぼーっとしてたじゃねぇか。」
「・・・別に、何も・・・。」
「何もなくてんな顔してる奴がいるかよ。いつもよりぼーっとしてやがって。」
ジュースにストローを差し込んで彼は言って一口飲んだ。
「本当に何にもないよ。それに・・・グリには関係ないことよ。」
それに対して私は未だ紙パックを握ったまま冷たく言い放つ。
自分でもちょっと後悔した。
「だったら心配かけさせんなバカさやか。」
グリムジョーに頭を軽くぺしっと叩かれる。
「うるさい。」
「・・・幼馴染なんだし話せよ。誰にも言わねーから。」
想像に反して、優しい声のまま彼は続ける。
その声があまりに優しかったから・・・私は思わず涙ぐんでしまった。
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