Out Of The Blue

□#21 Kiss Again
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ウルキオラは静かにさやかの唇から自分の唇を離した。

柔らかくて優しい、さやか独特の香りがする。

まるで優しさに包まれたようだ。


さやかとの口付けはとても甘美だった。

この前は一瞬だったが、先ほどは長い間でき、さやかは眠っているためキスの余韻に浸る事が出来た。








「さやか――・・・・・・」

眠っているさやかに囁きかけるようにしてウルキオラがさやかの名を呼んだ。

当たり前だがさやかは目を覚まさない。


ウルキオラは眠っているさやかの顔を見つめた。

例えるならば、まるで天使が眠っているような感じだ・・・。

安らかなさやかの寝顔をウルキオラは見入っているうちに何時の間にか自分も眠ってしまっていた。
















翌朝、さやかが目を覚ますと自分のベッドに上半身だけうつぶせにして眠っているウルキオラが居た。

熱はもう引いていて、今はとても爽快な気分だ。身体も軽い感じだ。

さやかはベッドにうつぶせになって寝ているウルキオラを見つめた。





ずっと傍に居てくれたんだ・・・。


1人にしないでくれたんだね・・・。

あの時、私が親の再婚のことで泣いていた夜の時のように・・・。







「ありがとう・・・」

さやかはそう言ってベッドから起き上がり、布団をウルキオラの肩に掛けた。

時間になったら起こそう・・・。

そう思ってさやかはゆっくりとベッドから出ていつものようにした。






やがてウルキオラを起こす時間になると自分の部屋に戻り、彼を起こしにかかった。

「ウルキオラ、起きて。」

「ん・・・」

ウルキオラは目を開いた。

だがまだ完全には起きていない。頭がボーっとしている。




「おはよう!」

さやかはウルキオラの肩に掛けた布団をとって元気よく言う。


「・・・おはよう、もう大丈夫なのか?」

ウルキオラは目が覚めてきたのか、顔に片手をあてながら言う。

「うん!バッチリ!」

「そうか。・・・良かった。」

そう言ってウルキオラはさやかに微笑んだ。

さやかの心拍数が途端に上がる。


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