Out Of The Blue

□#18 First Kiss !?
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土曜の午後、食事後にウルキオラはさやかに念のため訊いた。そう、念のため。




「さやかのクラスは文化祭の出し物は何だ?」

「劇だよ、『タイタニック』の。」

疑うことなくさやかはウルキオラの質問にすぐに答えた。



「ローズ役とジャック役は誰だ?」

「ローズは私で、ジャックがグリ。」


「......。」

やはり書き間違いなどではなかったのか...。

ふらりとウルキオラはその場で倒れたくなった。

「...キスシーンなどは本当にキスするのか?」

あまりに動揺してウルキオラはついストレートすぎる質問をしてしまった。

だが、何も疑うこと無くさやかは答える。



「まっさか〜!そんなわけないじゃない!それに私、好きな人、いるし...。したくない。」



「!!」

さやかが好きな人がいる、と言った途端ウルキオラの目が大きく見開かれた。

気になって気になって仕方が無い。

ウルキオラは答えてはくれないだろうと思いながらそれでも訊いてみた。






「好きな奴が...いる、のか?どんな奴だ?」

俺の知っている奴だろうか?それとも俺の知らない奴か?

どちらにせよ、気に入らない。



「うん。...すっごく優しくて...いつも私を大切に思ってくれてる人...。」

さやかはうっとりしたような表情で言う。

ウルキオラはその顔を見てさやかの想い人に嫉妬した。







さやかはウルキオラにもういっそのこと告白してみようかと思った。



私が10の時からずっと、想い続けてきたのだから。

でもやっぱり躊躇してしまう。


ウルキオラは彼が13の時、家が嫌で家を飛び出した。

でも家が嫌だったのは私が嫌だったから?

その可能性は無くは無い。


そう思うと、怖くて...いざ言い出そうとすると何も言えなくなってしまう。


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