恋心

□1 リア充(笑)
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中学生になったら,
楽しい日々を送って
恋愛をしてリア充をするつもりでした.


桜が舞う4月
校門をくぐり真新しい制服をしっかりと
着こなし,ドキドキして,クラス発表板を見た.
小学校の友達はほとんど別のクラスで,
見知らぬ人の名前が上から下まで
書かれていた.


1-2 黒子テツヤ.


それが僕のクラス.


クラスに入ると,入学式独特の
「よろしく.」とか「名前は‐?」
等の言葉が聞こえてくる.
人付き合いがあまり好きではない僕は,
自分の席に座って,窓の外を見ていた.


「お前,テツヤだよな...?」


不意に言葉をかけられビクリとする.
声が聞こえた発信源に目をやると
同じ小学校だった灰崎くんが此方を
じっと見つめていた.


「はあ...そうですけど...」
「やっぱり!また一緒のクラスだなっ」
「そうですね.」


灰崎くんに笑顔を向けられ
僕も一応笑顔らしいものを向ける.
はっきり言って小学校の時にそんな
喋ったことなかった相手だからどうでもいい
のだが,相手から話しかけられたのを無視する
わけにもいかないから,適当に流す.


「お前,相変わらず無表情だな‐」


僕の頬を抓り引っ張り乍まじまじと僕を
見つめて失礼なことを言ってくる.


「いひゃいでふ,やへてくだはい.」


こんな失礼な男に謝るの癪だが,
止めてもらうためには仕方ないことだ.
我慢,我慢.
そんな僕を見て何を思ったのか知らないが
ぱっと手を離し,悪い悪い
と謝っている姿は少し可愛いと
思ってしまった.


「赤司っち‐!緑間っちがツンデレで困るん
スけど!!」


「ツンデレではないと何回言ったら分かるのだ!?」


灰崎くんと喋っていると周りから
一際目立つ声が聞こえてきた.
そちらに目を向けると,整った顔立ちの
男が3人いた.
リア充オーラ万歳でムカつく.
何とも云えぬ感情が湧き出てくる.
僕はリア充が苦手...嫌いなんだよ!


「誰だあいつら,無駄にイケメンっていうか...」


「リア充とか死ねばいいですよね.」


本心をポロリと呟き,リア充(笑)3人組に
目を向ける.赤髪の帝王オーラの男,
黄色の髪のチャラ男,緑色の髪のメガネ.
容姿は‘イケメン‘という分類.
何ともリア充(笑)すぎる顔立ちに
イライラがヒートアップしてしまった.

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