魔法導

□やきもち
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すっかり橙色から落ち込んだ空。



「―ジャーファル」
「・・・なんでしょう、シン様」
「さっきから、何をそんなに怒っているんだお前は」


怒ってません、と即座に切り返すジャーファル。
それからすぐに深くため息を付いた。


――何も解っていないのだな、このひとは。


ちらりと横目にシンドバッドを睨んでみる。
案の定、彼は少し肩を揺らして固まっていた。


全くなんなんだ、とジャーファルは言ってしまいたい。


先ほどの煌帝国第4王子、練白龍様を迎えた際。
白龍様だけならまだしも。
何ゆえか、第8皇女の練紅玉様までついてきたのだからたまったものじゃない。


あの時はまだヤムライハの水魔法、『真実の水人形劇』があったから良いものの、彼女が居なかったらどうなっていただろう。


両国との戦争のきっかけになっていたかもしれない。もっといえばだ。
シンドバッドがあの姫君と結婚することになっていたかも知れない。


――そんなことになったら、私は・・・
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