魔法導

□dream of tomorrow
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――曇り空。
雨が降りそうな、どんよりとした日に似合いそうな空気が王宮の中を漂っていた。


その原因は、煌帝国のマギ――ジュダル。
これまでも度々シンドバッドにもとに現れては世界制服がどうだのと言っていたが、今回もその様だ。


「・・・煌帝国のマギかァ...こんなところでちょろついてていいんすかね?」
「・・・シャルルカン、口汚いですよ」
「そうよ。・・・それよりも、このごろ物凄い頻度で来てるわね、あのマギ・・・」
「・・・そっすね・・・」


例のごとくシンドバッドとジュダルから離れたところでヒソヒソと話し合う八人将。


どれも気分のいい顔とは言い難かったが、何より暗く青白い顔をしていたのは、ジャーファルだった。


「・・・てゆか、ジャーファルさん大丈夫すか?」
「何がですか?」
「いや、さっきからずっと黙ってるんで・・・大丈夫かなァと・・・」
「確かに、心配ですよ。血色悪いですし・・・」
「・・・大丈夫、心配ないですよ」


もうやめましょうと柔らかく微笑み、くるりと踵を返す。


「・・・大丈夫ではなさそうね」
「だなァ・・・」


シャルルカンが言った一言に、皆がうなずく結果となる。


「・・・俺ァ、ジャーファルさんのあんな痛々しい顔見たことねェぜ」
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