魔法導
□Happy valentine !!
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―さて、俺シンドバッドは現在窮地に立たされている。
目の前にあるのは書類の山、そして部下兼恋人のジャーファルの冷たく、蔑んだ視線。
そして今日は2月14日。
世の恋人達が浮かれるべき日、バレンタインデーだ。
それだというのに、なんだこの寒々しい状況は。
暖房はガンガンだというのに手が悴むようにガタガタと震える。
「・・・仕事しなさいよ」
「・・・はい」
くそっ・・・社長の俺の立場がッ・・・!!
だが今は立場云々の場合ではない。
山積みの仕事を片付けるべく、俺はペンを握りなおす。
なんとか・・・なるだろ!!
ゴゴゴ・・・という書き文字が見えそうなジャーファルの気配を感じ取りつつ、俺は必死に書類を片付けた。