魔法導

□U
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背後からガラガラという音が聞こえ、ヤムライハとピスティはとっさに振り返った。


不法侵入者でもと警戒したが、その気配はない。


二人は恐る恐る音のしたほうへ向かうと、ジャーファルの私室の扉が目に入った。


「ひゃるるかぁぁぁん!!もういっぱぁぁい!!」
「ちょ、ジャーファルさん、これ以上は...」
「うっさい!いいからっ!!」


呂律は回っていないが、聞き覚えのある我が政務官の声だ。


ヤムライハとピスティはそっと扉を押し開けると、失礼しますと声をかけ部屋へ入った。


「ちょっ...これは...」
「これ大丈夫なの!?」


べろべろに酔ったジャーファルと、それを必死に咎めようとするシャルルカン。いつもならありえない光景だ。


「ちょ、どうしたのよこれ...」
「...自棄酒みてぇだぜ」
「あー、王サマのこと?」


苦笑半分に首を傾げつつピスティが尋ねる。
その場の空気が重く沈んだのは言うまでも無い。
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