魔法導

□Happy Wedding
1ページ/3ページ


(※シンジャ恋人設定です)



よく晴れた晴天。
青空の下では、一組の夫婦が誕生していた。


本来この時間ならば王宮で政務に勤しんでいるであろうシンドバッドとジャーファルは文官の結婚式に参列していた。


「結婚するというから参列すると言ったが...まさかこんなに早くとはな」
「物凄いわくわくしていましたしね。お陰様で昨日まで政務に追われっぱなしでした」
「それは悪いと思ってるよ...」


うっと言わんばかりの苦しげな顔をするシンドバッドに、ジャーファルはくすくすと微笑む。


袖で抑えていた口元をふっと緩ませると、もともと幼い顔が一層幼く見える。


「ふふ、冗談ですよ。大丈夫です、もともとそんなに量はありませんでしたし」
「なんだよ、初めからそういってくれよ...」
「ふふ、すみません」


他の参列者よりも少し離れたところに居るからか、二人は誰からも話しかけられることなく、挙式を見ることができていた。


「あ、そうだジャーファル」
「はい?」


シンドバッドが振り返ると太陽の光を反射して七つの金属器がキラリと光る。


少し眩しげに目を細めながら、ジャーファルは何でしょうかと首を傾げてみせた。


「帰りにどこかで飯を食っていかないか?たまにはいいだろう」
「・・・いいですよ、そんなことだろうと思ってました。ですがお酒はダメですからね」


ジャーファルの最後の一言に不満を持ったのか、シンドバッドは心なしか頬を膨らませているようだった。


「いいじゃないか今日ぐらい」
「ダメです。また粗相をされては困ります」
「ジャーファルの意地悪」
「何とでも言ってください」


何を言ってもダメだと思ったのか、シンドバッドもそれ以上飲ませろとは言わず、仕方ないなと一言漏らしただけだった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ