short

□ストバス、
1ページ/2ページ





名前も知らない赤髪の彼を初めて見たのは、バスケコートでだった。




うわあ・・・かっこいい・・・・・・。

彼のダンクを決める姿が、目に焼きついて離れなくなった。

すごいなあ・・・。かっこいいなあ・・・。好きかもしれない。。。

繰り返し彼を見ているうちに、いつの間にかそんな感情が沸いていた。だけど、見ているだけで満足だった。

休憩に入って、ドリンクを飲んでいる彼をじっと見つめていると、ばっちりと目が合ってしまった。
彼は黙ってこちらに向かってくる。


「え!?あっ・・・・・・あっ・・・!」


あたふたしている私をよそに、彼は表情一つ変えずに私に近づいてきた。

そうだよね・・・こんな見られてたら気持ち悪いよね。。



「おい」
「へ!?」


黙って立ち去ろうとすると、呼び止められて振り向く。


「いるなら来いよ、黒子」


黒子・・・?

彼の視線が私を捉えていない事に気づき、彼の視線を追って黒子≠ニ呼ばれた人物を見た。


ええ。


「すみません。火神君。1人で集中していたようだったので」


黒子、と呼ばれた彼は、体の原型がよくわからない。とにかく薄い。


「それに、この方が混ざりたいようだったので」


黒子、君は私の背中を押して彼の前に差し出した。


「誰だ?」


ほんとうだよ!!
彼は見てるだけでよかったのに!!


「あ、あの、ね。黒子?君?わ、悪いけど・・・私、バスケとかよくわからないの・・・だから・・・」


心臓が鳴り止まない。
彼が、近い。近すぎる。

どうしよう、どうしよう・・・。



「へー、じゃあバスケするか?こんな楽しいの、しらねえのもったいねえよ」


彼は私に眩しい位の笑顔を向けてくれた。


ああ、どうしよう。
やっぱり、好きだな。。





これから彼にバスケを教えてもらえると思ったら、胸の鼓動が鳴り止まなかった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ