企画部屋

□思いは声に出さなきゃ伝わらない。
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思いは声に出さなきゃ伝わらない。
例えば、好きなクラスメイトが誕生日だったとしよう。
机の中の袋を覗いては取り出してまた直してを繰り返して気づけば放課後になっていた。
「と言うことで火神君。これを黒子君に渡して貰えませんか。」
だから、今、片思いの相手、黒子君の相棒である火神君に頼んでいるのだ。
しかし、帰ってきた答えは意外な物だった。黒子呼んでくるから、本人に渡せばいいんじゃないかとバッサリ切り捨てられた。
そして、今火神君は黒子君を呼びにいった。
逃げようとカバンに教科書を詰め込み始め、どうしても、渡すはずのプレゼントをカバンにしまうことができなかった。
「どうしたんですかなたさん。」
気がつくと、そこには黒子君がいた。勇気を出さなくちゃ、黒子君がいるんだから。渡さなきゃいけないのに。足が竦む。
「黒子君…」
私は真っ赤な顔を隠したまま黒子君に袋を渡そうと試みた。
「よければもらってください。」
やっとプレゼントの入った袋を渡した。最悪だ。普通人の目を見ずにプレゼントを渡すやつがいるか。どうしよう。
黒子君は少し驚いた顔をすると、私に笑いかけてくれた。
ありがとうございますと、彼は言うと、プレゼントを嬉しそうに見ていた。安堵の気持ちがあふれる。渡せた。私は直接渡せたんだという嬉しさにあふれる。
「部活がもうすぐ終わるので、一緒にマジバでも行きませんか?」
「いいんですか?」
(思いは声に出さなきゃ伝わらない。END)
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