渦巻き

□タイムスリップ
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水月は二人を廊下に連れ出し、今まで起きた事を正直に話した

話を聞いている間に二人も落ち着きを取り戻した

そして、事情を全て理解した


香「てめぇが悪いんじゃねぇかよ水月!!

どうしてくれんだ!」

重「水月……」


香燐はあからさまに水月に文句を言い、重吾は黙っているが威圧感が尋常じゃない


……やっぱり大事なサスケをこんなふうにしたらこうなりますよね


水「悪かったって!

責任もってサスケが元に戻る間は僕が面倒見るよ」

香燐「ふざけんな!!

てめぇに任せるとまたなんかやらかすだろうが!」

重「……同感だ」

水「えぇー!!

じゃあどうすんのさ!」

香「……三人で面倒見る!

それが一番だろ」

重「あぁ

その間にマダラに調べて貰おう」

水「マダラにも話すの?」

香「当たり前だろ!

ウチらじゃどうにもならないならアイツに頼むしかないんだよ!」

水「……なんかやだなぁ」

重「元はと言えばお前のせいだ水月

文句を言うな」

水「……はーい」


話し合った結果、三人で面倒見ている間にマダラに原因を調べてもらう事になった

とりあえずサスケをマダラの所に連れていこうと思い、三人は部屋に戻った


その瞬間


ドンッ!!


水「!!?」

サ「お、おばけが出た!!」


いきなりサスケが抱き付いてきた(と言うより突進してきた)

何故か涙目で震えている

水月はサスケの頭を撫でながら部屋を見回してみた

すると、ちょうどマダラが壁をすり抜けている所だった


……あれ見ておばけって思ったのか


水月は少し微笑ましい気持ちになった

普段のサスケなら全く動揺もせず無表情でスルーするか、幽霊など下らないと言わんばかりに呆れた顔をするだろう

そんなサスケにもこんな時期があったのかと思うと、何故かここに居ない現代のサスケまで可愛く思えてくる

実際は愛想の欠片も無いのだが……


水月はまだ腕の中で震えているサスケに話しかけた


水「サスケ

アレはおばけじゃないよ

僕達の仲間だ」

サ「……仲間?」

水「そう

何でもすり抜ける能力を持ってるから壁からも出てこれるんだ」

サ「……本当におばけじゃないの?」

水「うん

おばけなんて居ないよ」

サ「………よかった」


サスケはホッとして、抱き付いている手を話した

すると今度は少し赤くなって俯いてしまった


水月は不思議に思いサスケと目線を合わせるように座り、どうしたの?と尋ねた

サスケは何度か視線を左右にさ迷わせた後

意を決して話し出した


サ「………あ、あのさ!」

水「うん」

サ「……に、兄さんには俺がおばけ怖がった事言わないで!

まだ子供だって、言われちゃうから……」

水「……うん

分かった」


水月は穏やかに微笑んでサスケに言葉を返した

内心はこうだ


かっわいいぃぃ!!!

子供だって言われちゃうってまだ子供なんだから当たり前じゃん!

背伸びしたい年頃なのかなぁ?

可愛いなぁ!!


そんなデレデレな水月に気付いているのか、香燐と重吾はとてつもなく呆れ顔だ


こんな中、先ほど来たばかりで唯一状況が分からないマダラはすり抜ける途中の状態で止まっていた
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