Random-Room 2

□帰還した者達
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ソードアート・オンラインをクリアし、現実世界に戻って来たある日の事

明日奈は1通の封筒を受け取った

差出人は不明だったが、綺麗な蒼色をしていたので、もしかしたらと思い、急いで開封して読んでみる事にした

『召喚魔法陣に手を当ててご覧』

明日奈「……字小っさいし可愛いっ!しかも文章短っ!」

A4の紙を使っているクセに、小さくて可愛いらしい文字がヒョロヒョロと上にあるだけだった…

だから明日奈は思わず突っ込みを入れてしまったが、送り主の検討は付いた

何せ複雑な魔法陣が掌サイズで描かれていたのだから…

明日奈は躊躇う事なく手を当てた

すると光に包まれ、その場から明日奈の姿が消えた

明日奈「ん……あれ?何で私横になってる…………………にょっ!?////」

何があったのかとキョロキョロしていた明日奈は、とある一点に目を奪われ、瞬時に顔を真っ赤にした

ついでに変な声も出してしまう

蒼衣「すぅ…すぅ…」

明日奈の隣には蒼衣がスヤスヤと眠っている姿があったからだ

明日奈「か、カワイイ♪////」

ソードアート・オンラインの世界では決して見せた事の無い、深く安らかな寝顔

明日奈は生唾ゴックンをしながら暫く蒼衣の顔を眺める事にした

15分程眺めていたが、流石に暇になってきた

明日奈「私を喚び出しておいて一人だけグッスリ寝てるなんて…唇…奪っちゃっても…いいの?////」

明日奈は蒼衣が眠っているのをいい事に、蒼衣の唇に自分の唇を近付けた

明日奈「いいんだね?…ヤっちゃうよ……ん♪んん♪////」

触れるだけの口付けをし、次は啄むような口付けする

次第に明日奈のスイッチが入り始めたのか、徐々に激しくなり始める

明日奈「(起きないみたいだし…舌…入れちゃうよ?)////」

明日奈が蒼衣の咥内に舌を侵入させると、歯の隙間が開いていたので無理矢理舌を捩じ込んで、蒼衣の舌をツンツンと刺激する

明日奈「んふっ♪ンン♪////」

暫くすると蒼衣から反応があり、舌を絡ませてくるのであった

明日奈「(あ、起きた♪)////」

明日奈が目を開けると、蒼衣も目を開けていた

それと同時に唇をお互いに離し、ニッコリと微笑んだ

蒼衣「おはよう♪手紙はちゃんと届いたみたいだね」

明日奈「うん♪でも喚び出された場所がベッドって…どうしてなの?」

蒼衣「それは私の近くに召喚されるようにと設定していたからだよ」

明日奈「じゃ、じゃあもし蒼衣さんがお風呂に入っていたら…////」

蒼衣「下手をすれば裸で向い合わせだったかもね」

明日奈「っ!////」

想像したらポフポフと桃色の煙が…

蒼衣「明日奈ちゃんが来てくれた事だし、何処かに遊びに行こうか?」

明日奈「あの、その前に聞きたいんですけど、蒼衣さんの居る世界と、私の居る世界って、何処か違ってるんですか?」

蒼衣「魔法使いが普通に居て、魔法を使えない人も生活している世界…かな」

明日奈「何だかアニメやゲームの世界みたい…」

蒼衣「外を見てご覧」

言われた通り、明日奈は窓の外を眺めた

ビュンっ!!

明日奈「うわぁっ!?何今のっ!」

蒼衣「学校に遅刻しそうな学生が空を飛んで、学校にダッシュってヤツだね」

ダッシュではないだろう…

明日奈「はぁ〜……本当にこんな世界もあるんだ〜…」

きゅぅ〜〜…

感心していると、小さな音が耳に入ってきた

明日奈「あぅ…////」

蒼衣「フフっ♪お腹減ってるんだね♪私も今起きた所だし、朝食でも食べる?」

明日奈は朝食を食べないまま手紙を開封し、急いでコチラに来たのだ

二人は朝食を食べ、それからマッタリと話し合いながら時間を過ごした

明日奈「あ、この映画…」

明日奈が机の上にあったDVDを見付けた

蒼衣「ん?ああ、恋愛物のDVDだね…確か知り合いに借りたまま見てなかったね…」

明日奈「ねぇ蒼衣さん、朝はお出掛けするより、コレを一緒に見ませんか?」

提案を受け入れた蒼衣は、明日奈と並んでソファーに腰掛け、DVDを再生する

映画を見て数十分してからだった

感情表現豊かな明日奈は、映画の色々なシーンに合わせて表情をコロコロと変えている

楽しい場面では微笑み、悲しい場面では眉を少し歪めていた

映画は進み、中では病床の主人公がいて、それに寄り添うヒロインのシーンが映し出されていた

明日奈の綺麗な瞳には涙がジワジワと溢れ出していた

蒼衣は映画より、明日奈の横顔や姿を眺めていた

正直な話、映画よりも明日奈の顔を眺めている方がずっと面白いからだ

蒼衣「明日奈ちゃんは本当に、よくコロコロと表情が変わるね♪」

聞こえていたのかどうかはわからないが、明日奈が蒼衣の方を見た

溜まった涙をスッと拭ってやると、何を考えたのか、明日奈は急に倒れる用に膝に頭を乗せてきた

自然と膝枕を要求してきたのだ

蒼衣は断るつもりも無いので、明日奈をそのままにさせた

映画を見ている最中に頭をヤンワリと撫でると、明日奈はビクンと身体を跳ねさせる

それが蒼衣の手だとわかると、嬉しそうに微笑み、映画の続きを見る姿があった

明日奈「(固いと思ってたけど、普通に柔らかくて温かな太股♪この状態で頭を撫でられるの……ちょっと好きかも♪)」

滑らかに頭を滑る手の感触を楽しむ明日奈は、温かな思いが心を満たし、幸せな時を過ごした

映画が終わり、緩やかな音楽と共にエンドロールが流れる

明日奈「凄く良いお話だったね♪」

蒼衣「そうだね♪」

明日奈「私達もさ、あんな風に幸せになりたいな」

明日奈は感動の余韻に浸るように目を閉じた

蒼衣「明日奈ちゃんは、今の生活は幸せじゃないの?」

明日奈「うぅんっ!凄く幸せに感じてる♪」

不適に笑いながら問う蒼衣に対し、明日奈は嬉しそうな笑みと返事をして来た

ソードアート・オンラインの世界で出会い、多くの苦難を共に乗り越え、今はこうして現実世界で会って、実際に触れる事まで出来ている

蒼衣が異世界の明日奈を召喚する

そう言った形ではあるが、過ごせる時間は必ず作るようにしている

死ぬまでずっと一緒に居る、という思いも共有している

そんな事を明日奈がボンヤリと考えていると、蒼衣が顔を近付けてきた

明日奈は何が起こるのかを理解しているが、目を瞑る素振りは見せない

二人の瞳には互いの顔が大きく映し出される

二人の唇は、互いを包むように重ねられた

甘くて蕩けるような感触に襲われた明日奈は、一度唇を離すと、また唇を重ねてきた

しかも今度は両手で蒼衣の頬を包み込みながら、深く深く、ネットリと舌を絡ませる

明日奈は何度も角度を変えながら乱暴に口付けをする

蒼衣もそれを静に受け入れていた

明日奈「んっ…あふっ♪…んン♪…んぁ♪////」

明日奈はキスが余りにも気持ち良いらしく、甘い喘ぎ声を出し始める

脳が快楽で麻痺して来たようだ

互いに舌を絡ませ、咥内では陣取り合戦が始まっていた

当然そんな事をしていると卑猥な水音が部屋に響く
舌を絡めている内に、何も考えられなくなった明日奈は、更なる欲望を持ち始める

明日奈「(欲しい…蒼衣さんが…もっと欲しいのっ!)////」

息継ぎの為に一瞬だけ離した唇は、また繋がりを求めようとする

その時二人を繋いでいた銀の糸がイヤらしく垂れた

明日奈の顔は既に真っ赤になっており、目を見るとトロンとなっていた

そして次の瞬間、明日奈の中のナニカが切れた

明日奈は急に起き上がって蒼衣をギュウッと抱き締め、今度は逆に蒼衣をソファーに押し倒した

真っ赤な顔で息を乱した明日奈は蒼衣を見下ろし、蒼衣の頬にそっと手を添え…

明日奈「蒼衣さん…私と………して………ぃ…////」

蒼衣「え?今何て言ったの?」

聞こえているハズなのに、蒼衣はもう一度明日奈に言わせたいようだ

明日奈「だ、だから……うぅ…私と…エッチな事…し…むぐ?////」

蒼衣はそれをシッカリと聞いたが、明日奈の唇に指を当てて言った

蒼衣「今はまだダメだよ…だって明日奈ちゃんは学生の身だし、我慢するって約束をあの時にしたでしょ?」

明日奈はソードアート・オンラインの世界でした約束を思い出したらしく、蒼衣の上から飛び退いて別の部屋へと向かった

と言うより、今の場合は逃げたと言えるかも知れない

明日奈が去った後、蒼衣は自分の熱を冷ますように手で顔を仰ぎながら、別の部屋に向かった明日奈を見守っていた

蒼衣「ソードアート・オンラインの世界から帰って来たのは良いけど、アレ程迄に大胆になるなんてね」

蒼衣にしては珍しく、なかなか今の火照りを冷ませなかった

何せ明日奈がアレ程激しく求め、正直な欲求を言葉として言って来るとは思っていなかったからだ

一方、部屋から出て行った明日奈はと言うと…

明日奈「うわぁ〜…うわぁ〜…私ってば何口走ってたの〜…////」

蒼衣から姿が見えなくなったのを確認すると、明日奈は壁に凭れながらその場に屈み崩れた

収まる様子のない心臓の鼓動が耳の奥で響いている

明日奈は真っ赤に上気した頬を両手で包んだ

明日奈「恥ずかしい…////」

理性がグラグラになってから蒼衣への想いに溺れてしまったのだ

思い返すだけでまた身体にあの熱いナニカが蘇ってくる

明日奈「(さっきのは正直言って危なかった…あそこで蒼衣さんが止めてくれなかったら自分は…)////」

考えるだけで熱が…

考えちゃダメだと思っても、本当はもっと蒼衣と甘い時間を過ごしたい

もっと触れて欲しいと思う自分がいる

明日奈「私って、本当に心酔してるなぁ…」

改めて自覚した

今の明日奈にとって蒼衣のいない人生など絶対に考えられない

蒼衣も同じように思ってくれているのだろうか…

求めたら求めるだけ与えてくれる蒼衣を思い出すと、明日奈は思わず笑みを溢した

明日奈「もしあのまま…止められなかったらどうなってたんだろう……っ!////」

先を想像したらまた顔が熱くなったが、あることに思い至った

明日奈「逃げて来たのは良いけど、この後どんな顔をして過ごせばいいの…」

この後、本来ならお出掛けの予定だったが、顔を合わせるのが非常に恥ずかしく思え、明日奈は頭を抱えるのであった

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