Random-Room 1
□時雨親娘丼
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今日はスーパーコーヨーの特売日
朝から長蛇の列に紛れ、開店と同時に皆が雪崩れ込む
押し合いへし合いの中、目当ての品物を次々にカゴに入れていく二人
亜沙「お母さん!はい!卵2パック手に入れたよ!」
基本的に特売日の卵は、お一人様1パックが原則となっている
亜麻「僕は牛肉豚肉合わせて4つだよ!」
こちらは、お一人様2パックまで買えるお肉
しかし幸いな事に、今回は二人で買い物に来ているので、必要な食材を沢山買う事が出来たようだ
亜麻「あーちゃんがいたから沢山買えたねぇ〜♪」
亜沙「でもこれは……流石に買い過ぎたんじゃないかな?」
因みに袋は8つもある
1人で4つも持たないといけないのだが、その袋はどれもパンパンに入っているので、持ち方が悪いと今にも破れそうな状況…
亜麻「やっぱり持つと破れちゃうかなぁ〜…?」
亜沙「まぁ、可能性は高いと思うよ…」
そんな時である
ププッ!!
突然黒い車が二人の近くに来て、クラクションを鳴らしながら止まった
そして黒い車の助手席の窓がスライドする
蒼衣「や、亜麻さんに亜沙ちゃん」
亜沙「あっ!」
亜麻「アオちゃんだぁ〜♪」
蒼衣「沢山買って凄く重たそうだね…良かったら家まで運んであげようか?」
亜沙「いいんですか?」
亜麻「よぅ〜し、アオちゃんに甘えちゃお〜♪」
蒼衣「ふふ♪亜麻さんは素直だね♪」
亜沙「ちょっ!お母さんっ!?少しは遠慮をしないと蒼衣さんに迷惑が…」
蒼衣「別にいいよ♪私も買い出しに来ていただけで、今から帰る所だし」
亜沙「そ、そうなんですか…何かすみませんね…」
母より良く出来た娘のような気がするのは気のせい…だと思いたい…
それはそうと蒼衣がトランクを開けたので、亜麻と亜沙は買い物袋を入れた
ここで蒼衣がサヨナラをしたらちょっぴり面白いかも知れないが、決してそんな事はしない
蒼衣は二人を車に招き入れて時雨家に到着した
蒼衣「なかなか重たいね…女の子にはムリさせられないし、手伝うよ♪」
そう言ってトランクにある買い物袋を取ろうとする
その時である
タッチ♪
亜沙「ぁ!…ご、ごめんなさい…(触れちゃった…)////」
別に慌てていたワケでも無いのに、蒼衣の手と触れ合ってしまい、咄嗟に謝り、手を引っ込める亜沙
蒼衣「気にしてないよ♪私が運んであげるから扉を開けてくれるかな?」
亜沙「あ、ありがとう…ございます…////」
亜麻「……」
そんな二人のやり取りを、つまらなさそうな顔で見ている亜麻がいた
そして買い物袋を全て運び終えてからの事だ
亜麻「アオちゃん、良かったらお昼食べてく?」
蒼衣「誘いは嬉しいけど、夕方までに、フローラのシフトを組まないといけないんだ」
亜麻「そっかぁ〜…じゃあ夜はどうかな?夕飯一緒に食べようよ♪」
ここで食べない?と聞かない辺り、計算して言っているように思える
蒼衣「まぁ、夕方なら時間は取れると思うよ」
亜麻「じゃあアオちゃん、18時に家に集合ね♪」
で、時間は瞬く間に夜
約束の18時となった
この時、亜麻と亜沙は玄関先にて、何故か三つ指を揃えながら待っていたりする
五分経過…
十分経過…
亜麻「来ないねぇ〜…」
亜沙「うん…」
しかし蒼衣が来る気配が全くと言って良いぐらいナイ
十五分経過…
亜麻「まさか事故にでも遭ったんじゃないかなぁ〜…」
亜沙「大丈夫だよお母さん!蒼衣さんに電話したらすぐつかまるって!」
そう言って亜沙は蒼衣に電話を掛けた
〜〜♪♪
何故か着うた[innocence]が、家の何処かで流れている
亜沙「あれ?何で家の中から蒼衣さんの携帯の音がするんだろ?」
亜麻「昼間忘れて帰った…とかじゃないよね?」
亜沙「掃除の時に携帯なんて落ちてなかったよ?」
亜沙本人が部屋に掃除機をしていたので、落とし物があれば気付いたはず…
亜麻「じゃあ何でぇ〜?」
亜沙「わかんない…けど見に行けばわかるよ」
亜麻「だねぇ〜」
玄関先にいた二人は、着うたが流れる場所へと向かう
もし蒼衣が携帯を忘れていたら、昼間買い物袋をキッチンにしか運んでいないので、立ち入ったキッチンの何処かにあるハズだ…
そう思い亜麻と亜沙はキッチンの扉を開けた
亜沙「っ!!?」
亜麻「っ!!?」
蒼衣「やぁ二人とも、勝手にお邪魔してるよ♪」
キッチンの扉を開けると、何故か蒼衣が椅子に座って待っている
しかも机の上に携帯を開けたまま…
亜沙「な、何でっ?!どうして家の中に蒼衣さんが居てるんですかっ?!」
蒼衣「それは来る途中、道に迷ってしまったから、転移して来たんだ♪」
不法侵入だと誰も突っ込まない
亜麻「アオちゃんは歩きだと100%迷うよねぇ〜♪」
そんな嬉しそうに言わないで欲しい
因みに車や飛翔している時は絶対に迷わないらしい
凄い特殊能力を持っているな
亜沙「あの…それ…ボクは初耳なんですけど…」
蒼衣「ああ、そうだったかな…でもどうしてかな?どこでも一度通ったら大概は覚えるんだけど、時雨家だけはどうしても到着が遅れたり、来れないんだよ…」
亜麻「アオちゃん、それってもしかして家に来たくないって事なのかな?」
亜沙「えぇっ!そ、そうなんですか?」
蒼衣「フフッ♪冗談だよ♪二人のそんな風に困った顔が見たいから、言ってみただけだよ♪」
そう言って蒼衣は亜麻と亜沙に手を伸ばし、頭を優しく撫でた
亜麻「良かった〜♪////」
亜沙「あの…恥ずかしいんですけど…////」
でも手を払い退けたりしない亜沙
蒼衣「じゃあ、やめようか?」
急に手を止めた
亜麻「あぁ〜…蒼衣ちゃん!やめちゃメッ!だよぉ〜っ!////」
亜沙「あ!そんなっ!…もっと…もっと…して…くれませんか?////」
蒼衣「素直でよろしい♪」
蒼衣は再び亜麻と亜沙の頭を撫でた
亜麻と亜沙が満足した感じなので、三人は夕食をテーブルに並べ、楽しい一時を過ごした
食事を終えて、雑談を楽しみつつ、ゆっくりしている時だ
蒼衣「はい、亜沙ちゃんに来月のシフトを渡しておくよ」
ピラリとA3のシフト表が蒼衣のポケットの中から出て来た
亜沙「あ、ありがとうございます…(今、蒼衣さんはこのシフトの紙を何処から出したんだろう?ポケットにあったのに折り目もシワも無いよ…)」
亜沙がシフトより気になるのは蒼衣のポケットの中だ
亜麻「(ねぇねぇ、あーちゃん…アオちゃんのポッケって、どうなってるんだろうねぇ〜?)」
亜沙「(あのねぇ、お母さん…ボクが知るワケ無いじゃない…)」
亜麻「(だよねぇ〜…)」
視線を合わせて会話をしている親娘がいた
亜麻「あ、そうそうアオちゃん♪家でお風呂に入ってもっともっとゆっくりしていくよねぇ〜♪」
蒼衣「今の亜麻さんの言い方は、私にお泊まりしろと言っていると解釈していいのかな?」
亜沙「蒼衣さんが!お、お泊まりするのっ!?////」
亜麻「僕はそうして欲しいんだけどなぁ〜♪」
亜沙は大きく反応して、亜麻は大歓迎している
この違いは、男と肌を重ねた事がアルかナイかで、大きく反応が変わるのだ
亜麻「だってあーちゃん、夜は何かと物騒だから、男の人がいた方が安心出来ると思うよ〜?」
逆に色々な意味で危険なんじゃないか?と思った亜沙だが、蒼衣が相手なら、例え奪われたとしてもいいか♪と思ったらしい…
蒼衣は二人がOKを出したのを確認し、お泊まりを承諾した
そして蒼衣は時雨家の風呂に入る事にした
しかし困った事が発生した
蒼衣「あれ?これは計画的犯行なのかな?」
頭や身体を洗おうとしたのに、シャンプー、リンス、ボディーソープのボトルの中身が…
何故か全てカラッポ
蒼衣「亜麻さん…それと亜沙ちゃん…」
亜麻「はぁい♪待ってましたぁ〜♪必要なのはコレだよねぇ〜♪…うわぁ〜♪逞しぃねぇ〜♪////」
亜沙「お、お母さんっ!こんなの恥ずかし……って、うわわっ!?////」
呼び出しと同時にバスタオル一枚だけの亜麻と、その亜麻に手を掴まれて引きずり込まれた亜沙が、風呂場に入ってきたのである
蒼衣は二人が近くにいる事を当然知っていたので、小さく呼んだのだ
それはいいとして、亜麻も亜沙も、蒼衣の裸体の、何処か一点に目が釘付けになってしまったようだ
蒼衣「コレは亜沙ちゃんは無関係なのかな?」
亜沙「じ、実は中身をカラにしたのは…その…ボクだったりします…////」
亜沙は恥ずかしいのか、怒られると思っているのか、モゾモゾと、しかし逞しい何かをチラ見している
亜麻「だからぁ〜朝のお礼と今のお詫びを兼ねてぇ〜その逞しいのと、身体を洗ってあげるねぇ〜♪////」
亜沙「狡いよお母さんっ!石鹸で滑りを良くすると、痛みの軽減した卒業が出来るって、さっき言ってたじゃないっ!?////」
蒼衣「そういう計画か…良いよ♪二人の計画に最後まで引っ掛かって、綺麗に洗って貰って、お返しに滑り良く気持ち良い卒業をさせてあげるよ♪」