TOV

□I am grateful to have met you
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ED後 夫婦設定
ハルルに住んでます。







午後のゆったりとした時間。
いつものようにソファに座ってくつろいでいると、隣の空いているスペースにエステルがぽすんと座った。



「私、貴方と出会えて良かったです」

「ん?いきなりどうした?」

エステルが唐突になにか言い出すのは今に始まったことではないが、今日はいつもと様子が違う。

「ふふっ、ユーリ覚えてないです?」

エステルは穏やかに微笑みカレンダーを指差した。
今日の日付。
そこに小さく書かれている文字。

あぁ、そういうことか。

「日付事態は忘れかけてたけど、この日の出来事を忘れろってのは無理な話だな」

「ユーリならそうだろうと思いました」

「仕方ねぇだろ?あの日は朝から日付見てるような余裕なかったしな」


エステルがオレの肩に頭を預ける。

オレはエステルの肩に手を回した。

「あっという間に一年です」

「そうだな」

「一年前の今日、ユーリが私を連れ出してくれていなかったら私はまだお城にいたと思います」

「そうか?おてんばなお姫様だったら自力でも抜け出してたと思うけど」

オレは喉を鳴らして笑う。

エステルはいつも通りに意地悪ですと言って頬を膨らませる。

「でも、それでもユーリが連れ出してくれたから私は今とても幸せなんです。ユーリに出会えたから今の私が在るんです。だから、ありがとうございます」

そう言ったエステルは恥ずかしかったのかオレに抱きついて顔を埋めてしまった。

オレはエステルの頭を軽く撫でて、オレもエステルを抱きしめた。

「オレこそありがとな。こんなオレの手をとってくれて」

そう言った途端エステルは顔を上げて怒ったようにオレのことを見てこう言った。

「こんなだなんて言わないでください!ユーリの手はとても暖かくて優しいです。私はいつもその手に救われてきました。もちろん手だけじゃなくてユーリ自身にも......」

最後の方は声が小さくなって聞こえずらかったが、しっかりと聞こえた。

「そっか、じゃあなおさらありがとうだな。オレもエステルに出会えて良かったよ」

オレはエステルの前髪を上げて額にキスをした。

その後はさっきみたいにしっかりと抱きしめた。

が、エステルの反応がない。
どうしたのかと顔を覗いてみようと抱きしめる腕の力を弱める。

すると

「いっ、今は見ないでください!」

エステルの声は完全に震えている。

「エステル」

「....はい」

「なに泣いてんだよ」

「泣いてません....」

オレはエステルの顔を上に上げた。
エステルの翡翠の瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。

「ほら、やっぱり泣いてる」

オレは目元に唇を寄せて、どうした?と囁いてみると、顔を真っ赤にさせてあの、やら、えっとを繰り返している。

少し落ち着くのを待っていると。

「ユーリと一緒にいられることが幸せすぎて涙が出てくるんです....」

エステルは涙を一生懸命に拭いているが、なかなか涙が止まらないらしい。
あれ?止まりません!?など声を出して慌てている。

オレは止まらない涙を拭う手を掴んで、エステルの指とオレの指とを絡ませた。

「ユーリ?」

「これから嫌ってほど幸せするのに、幸せになる度にエステルが泣いてたらエステルが干からびちまうな?」


そう言ってオレはエステルの唇に自分のそれをそっと重ねた。



(これからもっと幸せにするから、今は泣き止んで?)







(ユーリ///)
(今はこっちみんなよ//)
(照れてます?)
(....別に//)
(耳まで真っ赤ですよ//)
(それ言うならエステルさんもですけどね)
(っ//////)







End
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