TOV
□情愛
1ページ/2ページ
『8月』
庭に植えてあるひまわりがすくすくと成長し大輪になった。
太陽みたいに大きな花。
黄色い花びらをつけている。
見ていてとても気持ちがいい。
そこでふと
ひまわりの花言葉って何でしたっけ....
思い出そうと考えているとふと馴染みのある気配を後ろに感じた。
「おー、いたいた。探したぞエステル」
家の中にいないと思ったら庭にいたのか
と言って私の隣に来て一緒になってひまわりを見た。
「先月植えたひまわり、もうこんなに大きくなったのか」
「はい! もう私の背丈よりもずっと大きいです」
私がはしゃいでそう言うとユーリは笑って私の頭を撫でた。
「わっ、もう、ユーリ!髪の毛乱れちゃいます!」
「大丈夫だって。今日はエステルのこと見てるのオレだけだから」
ユーリははにかみながらそう言っていた。
でも本当のこと。
今日は久しぶりに私もユーリも仕事がなくてゆっくりと二人で過ごそうと昨日から決めていた。
「もうっ、ユーリったら//」
意地悪です
そう言おうとしたら
あっ....
思い出した。
ひまわりの花言葉。
「エステル、どうした?」
「あっ、えと、ひまわりの花言葉を思い出しました」
「へぇ、どんな言葉?」
知りたそうなユーリの顔。
そこに私の頭にある考えが浮かんだ。
私は庭のひまわりの大輪を手折った。
そしてユーリに手渡す。
「エステル?」
「あなたを愛しています//」
とても恥ずかしい。
自分でも赤くなっているのがわかるほど顔が熱い。
いつもユーリは私にそう言った言葉をくれるので、たまには私からもユーリに愛情を表現したかった。(まぁ、花言葉に頼ってしまったわけなのだが)
なので思いきって言ったのだが、やっぱり恥ずかしい。
ユーリが黙っているので少し顔を盗み見ると、ユーリの顔がほんのりと朱色に染まっていた。
「はぁ、反則だろ。それ//」
彼も手近にあったひまわりを手折って私の髪の毛にひまわりの花を差した。
「そんなのオレだって同じだよ」
ユーリは私を抱き寄せて耳元でそう囁いた。
さぁ、今日は彼とどんな一日を過ごそうか
End