TOV

□I'll be counting on you.
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「ユーリ、ユーリどこですかー?」

家の中から愛しい妻の声が聞こえる。
多分家中を探し回っているのだろう。

生憎と今は庭に出ていて、家の中にはいない。

こんなに近いところに居るのに何で気づかないかね。

まぁ、けどここは窓から視角になっていて見えづらいってこともあり、そう簡単に見つけられないのは仕方ないかもしれない。

少し眠くなってきた。

このまま寝てしまおうか、そう思ったとき


ガララッ


「あっ、見つけました!」

こんなところに居たんですねっと頬を膨らませて、小走りで近づいてくる彼女。

「もう、突然いなくなってしまったからびっくりしたんですよ?」

「ん、悪かったよ」

オレが素直にそう言うと、これまた彼女も、許しますとにっこり微笑み、オレの隣に座った。

「ユーリ今日が何の日だか覚えてます?」

エステルが先程の笑みを消し、心配そうな目でオレをみている。

もちろん何の日だかわかっているし、彼女が言わんとしていることもわかっている。

「あぁ、ちゃんと覚えてるよ」

忘れるわけないだろ、とエステルの頭をくしゃくしゃと撫でる。

髪がみだれてしまいますと抗議の声が上がったが、無視してその体ごとすっぽりと自分の腕に納めた。

そしてエステルの耳元で囁くように言った。

「オレとエステルの一年目の結婚記念日、だろ?」

「...はい」

「この一年大変なこともあったけど、その分幸せなこともあった。けど、そういったことも、エステルと二人だったから乗り越えてこられたと思うし、一緒に幸せを感じられたと思う。だから、来年も再来年もよろしくな?」

オレが言葉を言い終わる頃には、エステルは泣いていた。

顔を覗きこむとエステルはあわてたような顔になった。

「ちっ、違うんです! 決して嫌とかそう言う訳ではなくて」

「ん」

「とっても、とっても嬉しいんです...。私もユーリと同じです。貴方とだから乗り越えてこられましたし、共に幸せを感じられたとも思います。だからこちらこそよろしくお願いします」

抱き締める腕に少しだけ力をいれる。

そして、どちらかともなく目を閉じ

互いに唇を重ねた




I'll be counting on you.






End
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